コウゾによる和紙の作り方です
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11月末から1月にかけてコウゾを刈り取ります。(コウゾは1年生を使います 2年以上経過したコウゾは繊維が堅く、節なども多いので良い紙になりません)
写真:愛知県小原村
刈り取ったコウゾを一定の長さにそろえ、コシキと呼ばれる桶をかぶせ3-4時間かけて蒸します。(刈り取ってから1週間以内に蒸し上げないと皮が剥がれにくい)
写真:高知県吾北村
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その後さめないうちに手早く皮を幹から剥ぎ取ります。剥ぎ取った皮を「黒皮」と呼びます。(蒸し終わったら直ぐに冷水をかけて皮を縮めてやります こうすると剥ぎやすくなります)
写真:愛知県小原村
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保存のため黒皮を天日でしっかり乾燥します。(しっかり乾燥しないとカビます)
写真:高知県吾北村
紙を漉くのに必要な分だけ黒皮を川などの流水に24時間ほど晒し、外皮を取り除きやすくします。
写真:愛知県小原村
タクリコと呼ばれるナイフのような道具で外皮を剥ぎ取り内皮だけにします。この内皮を「白皮」と呼びます。ここで乾燥し保存する場合もあります。剥ぎ取られた外皮は、質の悪い原料に混ぜてハッサキと呼ばれる塵入り紙にします。
写真:愛知県小原村
白皮をソーダ灰で2-3時間煮ます。これにより繊維に含まれる不純物を取り除くとともに、繊維を柔らかくします。
写真:愛知県小原村
川などの流水に24時間ほど晒し、ソーダを洗い流すとともに、天日により繊維を白くします。
写真:愛知県小原村
繊維の傷や節、汚れなどを手で丁寧に取り除きます。この作業を怠ると紙に現れます。
写真:栃木県烏山町
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バイと呼ばれる樫の木の角棒で繊維が綿のようになるまで叩きほぐします。この作業を怠ると粗い紙になります。
写真:奈良県吉野町
叩きほぐされた繊維を舟の中に入れ、水とトロロを加え馬鍬(ませ)と呼ばれる櫛状の道具で均一に分散されるまでよく攪拌します。この作業をザブリといい、攪拌が済んだものを舟水と呼びます。
写真:岐阜県美濃市
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簀桁の手前から舟水を汲み込み、簀桁を動かしながら紙を漉きます。紙の厚さや種類によりこの作業を数回繰り返します。(美栖紙などは一度だけです)これを流し漉きと呼びます
写真:高知県伊野町
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漉き終わったら桁から簀を外し、簀に濾過された湿紙を紙床に移します。このとき、先に重ねてある湿紙との間に空気が入らないように注意します。こうして、一日分の紙を紙床に重ね一昼夜ほど放置し自然に水を切ります。
写真:奈良県吉野町
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その後、徐々に重石やジャッキなどで圧力をかけ、さらに水を絞ります。一昼夜プレスしたままの状態にしておきます。(トロロの粘りけが完全に失われます)
写真:愛知県小原村
プレスし終わったものを紙床から一枚ずつ丁寧に剥がし、イチョウなどの板に刷毛で張り付けます。このとき、紙を厚くするため2枚重ねて剥がしたものを二双紙といいます。(板に付いた面が光沢のある表となります)
流し漉きの紙は表面がなめらかなため別の紙とくっつきあいません。
写真:岐阜県美濃市
紙床からはがすところを動画で見る
板張りを動画で見る
天日乾燥します。天日により紙は白さをまします。
写真:岐阜県美濃市
乾燥し終わったら張り板から剥がし、検品して和紙となります。
写真:徳島県山川町 和紙の作り方は、基本的にどの産地も同じです。ただし、雪国へ行くと、コウゾや湿紙を雪に晒したりする場合があります。
また、美栖紙のように紙床(13)に重ねなかったりする紙もあります。紙の原料による違いもあります。