学芸日記バックナンバー

(2004.7.2) 
 昨日、豊田市立猿投(さなげ)中学校でカンゾカシキ(コウゾ蒸し)をおこないました。本来なら初冬の作業ですが、年間カリキュラムの関係?でこの時期に実施したようです。この夏最高の暑さの中、炎天下のグランドで火を焚きましたので、ビールでも片手にしながら作業をしたかったんですが、中学校では教育上よろしくないのでお茶で我慢しました。途中生徒がアイスコーヒーを差し入れてくれ、団扇で煽って風を送ってくれましたのでビールのことなんか忘れてしまいました。応援の父兄と雑談をしているうちに蒸し上がり予定時刻となり、不安を抱えながらドラム缶の桶を外しました。結果は良好で、思った以上に剥きやすかったです。真剣に皮を剥き黒皮をそぎ落とす生徒の姿を見てホッと胸を撫で下ろしました。 この後コウゾを染色し、愛地球博のマスコットキャラを和紙で作る予定だとうかがいました。うまくできることを願って、急な呼び出しにより学校を後にしました。

(2003.6.22) 
 全国手漉和紙青年の集いが京都府舞鶴市で開催されました。例年ですと和紙産地で開催されますが、今年は産地を形成せず一人で紙漉をしているY.M.さんが開催を引き受けてくれました。したがって、今年のメインテーマは「個として向き合う紙」ということでした。持ち寄った紙の展示はもちろん、フリートークやパネルディスカッションなど充実した内容でした。
 以前から言われていたとおり、今の紙漉の多くは産地を形成していても、結局個人の紙漉になっています。問屋が間に入り、誰が何の目的で紙を買っていくか分からないと言うのは、ごく一部の産地になってきました。紙漉きとユーザーが直接対話をして紙を作り上げるようになっています。あるいは、自分だけが漉くことのできる紙を模索しています。産地に属し、会社に属している紙漉も、ユーザーに喜んでもらえるように一生懸命紙漉をしています。産地があっても最後は個人と言えます。

(2003.5.14) 
 職場(和紙のふるさと:愛知県小原村)のコウゾが花を咲かせました。コウゾはクワ科カジノキ属の落葉低木です。この花は去年刈り取らずにとっておいた枝から出た新芽に咲きました。中心には緑色の球があり、そこから紫のヒゲのようにのびた花が咲いています。毎年4月末頃から咲くんですが、葉の付け根あたりに小さく花を付けますので見落としてしまいがちです。派手さはありませんが、ひっそりと?咲く姿はどこか清楚でやさしく穏やかな感じがします。
 花は、やがてラズベリーに似た紫の実を結びます。そういえば英語でPaper Mulberryと言う様に漿果(しょうか)を意味するBerryが使われていますね。
 んんん!!!まてよ!!!?ということは、コウゾの実は食べられるってこと???・・・
と疑問に思った貴方は「花より団子、色気より食い気」ですね。
ご想像のとおり、食べられます! その昔、小原の子どもたちは学校帰りの道草で、よくコウゾの実を食べたそうです。欲張った子は、ポケットに詰め込むものだから実が潰れて紫の果汁でズボンを汚してしまい、親に叱られたそうです。数年前、私も一度食べてみました。時期が悪かったのかしれませんが、口の中に極小さなトゲが刺さったような感覚になってしまい、しばらく違和感が取れませんでした。食べるときは注意しましょう。


(2003.4.29) 
 先日(4月24日)愛知工業大学のものづくり文化の講師として招かれ、大勢の学生を前に和紙の話をしてきました。去年に続き2回目でしたので、なんとか飽きずに聞いてもらおうとパソコンを使おうと考えました。パワーポイントで資料を作り始めましたが、アニメーションの動きや効果をアレコレ考えているだけで時間がドンドン過ぎてしまい、とても間に合いそうになくなってしまいました。そう言えば!と思いついたのが(何で間際になって思いついたんだろう?)このHP「和紙の博物館」を使うことでした。早速買ったばかりのニューマシンに搭載されているスーパードライブが役立つことになりました。HP全てをCDに落として準備完了!.....「まてよ、ムービーは.Macのサーバーに預けてあるんだった。ヒョットシテ講義室のパソコンがインターネットに接続できなければムービーを見られないジャン!」ということに気付き、解像度の高いムービーを作成し直し、新たにリンクを張り替えました。折角なら同じ場面でも職人による違いも比較して見てもらおうと、意気込んで自宅での作業を終了しました。
 私の愛機はMacですので、Winで正常に作動するかのチェックです。Winで恐る恐る開いてみたら何のことはない!バッチリ正常に動きました。これなら安心と、意気揚々と大学に出かけました。ところが、大学でテストしたらムービーを再生しないじゃありませんか。業者さんとアレコレしている内に時間が来てしまい、結局ムービーなしで講義しました。しかも時々ブラウザがダウンしてしまい、冷や汗タラタラで持ち時間を終了しました。「これはきっとパソコンの相性の問題だな」と、自分を納得させ、学生さん達は私の退屈な話によく我慢してくれたと思いながら大学を後にしました。

(2003.4.18) 
 またまた更新が滞ってしまいました。約70日ぶり?です。その間、岡山県倉敷市と津山市に紙漉を見学に出かけました。どちらも長年出かけたいと思っていたところで、ようやく実現しました。
 倉敷の紙漉は、元々山間部で漉いていた産地がダムによる水没のため一人の職人さんが移住してはじめたものです。移住当時はかなり苦労されたようですが、時代のニーズに合わせたいろいろな紙を生産していました。後継者も多く育てられ、お弟子さんたちは全国で活躍しています。一方、津山は昔ながらの箔合紙を漉き続け、他の紙をほとんど漉いていませんでした。現在3軒となってしまったそうで、他の紙を生産する余裕がないそうです。谷間を流れるせせらぎがとても澄んでいて印象的でした。

(2003.2.4) 
 今年の年頭にWebの更新をマメに行おうと決めたにもかかわらず、とうとう2月になってしまいました。毎年同じことの繰り返しで自分でも呆れる始末です。
 1月は恒例のカンゾカシキを行いました。カンゾカシキとは、小原村の方言で、コウゾコシキが訛った言葉です。コウゾは和紙原料植物で、コシキは甑(こしき)という蒸し器のことです。つまり、コウゾをコシキで蒸すことをいいます。コウゾの葉が落ちる12月になると、コウゾを刈り取り、束ねた後2時間以上蒸すと表皮が向きやすくなります。冷めないうちに手際良く皮を剥ぎ取るのが結構大変です。今年は小原村内の小中学生約160人が応援に駆け付けてくれましたので、一桶(約200kg)の原木をあっという間に剥ぎ取ってくれました。
 ところで、去年育てたコウゾの生育が今ひとつ良くありませんでした。肥料などは与えていますので、もっとほかの原因があるようです。夏には葉を丸めてしまう虫が付きましたので、その影響かもしれません。農薬は使いたくありませんから今年は手入れが大変そうです。
(2002.12.31) 
 今年は公私ともに充実した一年でした。
 1月には年中行事のカンゾカシキをおこない、宮古島から届いた泡盛で盛り上がりました。
 2月にはとフランスとイギリスに出かけ、地下鉄でウロウロしながらパリとロンドンを歩き回りました。
 4月からは立案したプランがスタートし、若者育成に取り組むことになりました。計画と実際とのギャップに悩みながら何とかやっています。
 6月からは和紙工芸講座が始まり、やる気満々の生徒さん達と楽しく学んでいます。また、伊勢でお世話になった全国手すき和紙青年の集いでは色々な人と巡り会えたばかりでなく、伊勢神宮で御神楽を奉納させていただきました。
 7月には美濃の全国和紙画展に出品する作品を制作し出品しました。思いがけなく入選し驚くばかりでした。
 8月には薪能を初めて見ることができ、御神楽と共に日本の精神文化を考えるよい機会となりました。
 10月はイベントのPRでNHKに出させていただき、生放送の緊張感を体験しました。
 11月は田沢温泉ますや旅館で島崎藤村が宿泊した部屋に泊まることができ、充実して趣のある旅ができました。
 12月には講座のツアーで北陸に出かけ、和紙の見学など色々勉強できました。金沢の夜も楽しく充実していました。
(2002.11.26) 
 2002.11.18に長野県に出かけ、青木村の田沢温泉「ますや旅館」に宿泊しました。この旅館は築130年という伝統ある建物で、正面から見ると小さくみえますが奥行きは深く、それはそれは、たいそう立派で趣のあるたたずまいです。
 玄関奥の右手階段を上がった部屋に通されました。目に飛び込んだのは、恐らく建築当時のものと思われる間似合紙(まにあいがみ)に箔押しをした襖です。部屋を見渡すと宿泊客や旅館の人たちの歴史の重みを感じました。次いで発見したのが「藤村の間」と書かれた額です。かの文豪島崎藤村が明治34年8月に滞在した部屋だったんです。当時のまま現在に至っていると言うことで、も〜感激してそれだけで大満足でした。
 温泉は無色透明でぬる目でしたからのんびりゆっくり楽しむことができました。料理は山間の宿らしく鯉こくや鯉の洗い、リンゴの天ぷら、山菜の炊き込みご飯などを楽しませてくれました。オマケに書くと、数年前「卓球温泉」という映画のロケに使われたそうで、広い卓球室で入浴前の一汗をかきました。余談ですが宿泊費は8000円からで部屋によって異なるそうです。また行きたいな!
 藤村の間は8畳2間です。部屋を仕切る襖と押入、天袋と地袋に箔押しした間似合紙が使われています。写真は寝室の様子で、襖には扇面模様が型刷りされていました。奥の部屋の襖には模様のない間似合紙が使われていました。部屋のまわりは廻り廊下となっています。建具をよく見ると障子の桟にはわざと傾斜が付けてあり、埃がたまりにくくなっています。障子を開けると青木村の素晴らしい自然が広がります。実は障子を開けるのに少し苦労しました。建物が若干傾いていたからです。細かいところも結構傷んでいました。この旅館のいたるところを修復しようとすると原材料もさることながら職人を捜すのが困難だ思います。歴史と趣のある「ますや旅館」を末永く残してもらうためにも、大勢の人に大切に利用してほしいと感じました。


(2002.11.11) 
 2002.11.07にトロロアオイの収穫をしました。6月にポットへ種をまき、本葉が出たら畑に移しました。7月と9月に追肥をし、根を太らせるために種取り用を残してつぼみや花を摘み取ってやりました。収穫したトロロアオイは、思ったほど太くなく少々ガッカリしましたが、粘り気は充分あるようでしたので紙漉には使えます。
 収穫したものの中に、白いカビか菌が付着しているものがありました。その根は腐ってしまって使えません。畑の状態(特に排水)が悪くこのようになってしまったものと思われます。また、日当たりによって成長度合いがかなり違うこともわかりました。
 収穫した翌日に業者から購入したトロロアオイが来ました。分かってはいましたが、余りにも違う成長具合にショックは隠し切れませんでした。連作ができないので来年は違う場所に畑を作ります。今年の失敗を教訓に、よりよいトロロアオイを作りたいと決意しました。はあ〜!

(2002.09.25)
 昨日(09.24)職場の人たちと石川県川北町で加賀雁皮紙を漉く加藤さんの工房に出かけました。5年ぶりにお会いした加藤さんは少し痩せられていました。体調をくずされたことと今春ご主人を亡くされたことが原因かと思います。それにしても和紙にかける情熱は少しも衰えていませんでした。積極的に東京や大阪などに出かけ、常にお客さんのニーズにあった和紙製品を開発しようと努力を続けてみえます。この姿勢は大いに見習うべきでしょう。工房には、以前は箔打ち紙がたくさん陳列してありましたが、加工品に埋もれてしまっていました。別の見方をすると、良い和紙だけを漉いているだけでは成り立たないということです。
(2002.09.09)
 久しぶりの更新になってしまいました。以前(2002.6.20)日記でも触れた作品を美濃市の「全国和紙画展」に出品したところ、思いもかけず入選してしまいました。美術は素人でしかも初めての出品で入選するとは驚きでした。 後朝というタイトルの漉き込み作品で、愛を表現しました。ストレートになりすぎたところもありますが、自分なりの思いが表せました。制作中には色々な人からアドバイスをもらい、その楽しさがわかりかけていましたので、また機会があればものづくりに挑戦したいと思います。
 全国和紙画展は岐阜県美濃市の美濃和紙の里会館で開催されます。2002.10.19〜12.2

(2002.07.01) 
 2002.6.28-29、三重県伊勢市で「第28回全国手漉き和紙青年の集い」が開催されました。毎年全国を持ち回りで開催されるため、その土地の文化に触れるとてもよい機会になります。今年は伊勢神宮の和紙を漉いている大豊和紙工業の皆さんが担当してくださいましたので、伊勢神宮とそれに関わる和紙製品の製作実演や展示などもありました。また、集い参加者が漉いた和紙と御神楽を奉納させていただくという有り難いことも経験させていただきました。神楽殿での雅楽の生演奏と御神楽を拝見し、日本の精神文化の一端に触れることができました。 集いでは、紙漉を始めて日の浅い人たちが多く参加し、自分の紙を披露しました。数年前までの集いでは、見られなかった光景でとても素晴らしい企画でした。色々な紙を漉く人たちが互いを尊重し合い励まし合う姿勢は、今後の和紙の発展に欠かすことはできません。伊勢大会を機に、伝統を重んじる人、新しいニーズに応える人が互いに理解し協力し合うようになることを願います。伊勢大会はその道を照らしてくれました。


(2002.06.22) 
 2002.6.21、名塩和紙の谷野剛惟(たけのぶ)さん(兵庫県西宮市)が名塩和紙として初の
人間国宝に答申されました。和紙では5人目(2人は故人)で、昨年の濱田幸雄さんに続いての認定です。
 谷野さんは頑固一徹ですがとても誠実なお人柄です。それだけに自分の漉かれる紙には絶対の自信を持ってみえます。大規模住宅の造成や高速道路の建設など、紙屋の周辺環境が著しく変わって、原材料の確保が困難になっても、自分の紙を必要としてくれている人たちがいるからと紙漉を続けてこられました。心よりお喜び申し上げます。
 名塩は江戸時代初期から有名な産地で、特に地元で採取される鉱物を漉き込んだガンピ紙の「泥入間似合紙」はフスマ用の紙として多くの需要に応えていました。現在では金銀箔打紙としても利用され、再生品が高級油取り紙として若い女性に人気を集めています。
 漉き方の特徴としては、ガンピに鉱物(泥)をたくさん混ぜること、泥が入ることにより重くなるので座って紙を漉くこと、トロ(粘剤)をあまり入れず溜め漉きに近いことなどがあります。


(2002.06.20) 
 今日久しぶりに和紙漉き込み?をしました。和紙漉き込みは小原和紙工芸特有の技法(詳しくはこちら)で、染色したコウゾを使い絵を描くものです。実は、とある展覧会に出品するために試作をしたんです。私は、芸術家ではありませんので展覧会なんておこがましく思うのですが、色々な経緯があって展覧会に出品するハメになってしまいました。
 ところが、コウゾを染色したり構図を考えたりしているうちに、だんだん面白くなってきて色々なアイディアが頭をよぎりました。悲しいかな美術の勉強をしていませんので、とても陳腐な試作品になってしまいました。しかし、創造する楽しさや考えをまとめる苦しさなどが体験できとてもよい勉強になりました。今日の教訓を生かして出品作品を制作したいと強く思いました。
(2002.5.06) 
 今年も小原塾生の募集をはじめました。
 この塾は、他の和紙産地で開催される紙漉き講習と違いペーパーアートに主眼を置いていることです。伝統の土台に創造を加え紙の可能性を求めながら自己表現をするアーティストを育成しようというものです。
 愛知県小原村で開催しているにもかかわらず、遠くは東京や埼玉からも参加してくださいます。毎年多くの人が応募してくださり和紙やペーパーアートに対する関心の高さが伺われます。過去5年間開催し、美大の先生・美大生・内装業・ジュエリーデザイナー・インテリアコーディネーター・イラストレーター・陶芸家・書家・伝統的な和紙を学びたい人・アーティスト志望者・その他様々な方がご参加くださっています。
  興味のある方はぜひご応募ください。

(2002.4.22) 
 4月18日に愛知工業大学「ものづくり文化」に講師として招かれました。この講義は全学生を対象にしていて、学部や学科、学年に関係なく受講でき、単位も取得できるそうです。私は12回シリーズの第2回目で「#藤井達吉と小原和紙」というテーマで話をしました。
 約250名の学生を前にかなり緊張てしまいましたが、紙の誕生や伝搬を説明しているうちに緊張の糸もほぐれていました。愛知県小原村での紙すきの始まりと発展、藤井と小原との出合い、藤井の芸術観、工芸和紙の指導方法、今後の和紙の展望など、伝えたいことは言えたと思います。寝ている学生もいましたが、一部の学生は真剣に話を聴いてくれていました。一握りでも耳を傾けてくれた学生のいることに感激し、今後彼らが和紙に興味を持ち続けてくれるようにサポートを続けなければと感じました。

          
(#藤井達吉と小原和紙については和紙のふるさとホームページで紹介しています)
(2002.3.20) 
 3月18日に美濃和紙の里会館で開催中の「カミノシゴト展」を見てきました。美濃のベテラン職人さんから若手見習いさんまで、紙漉きさん達がデザイナーと組んで和紙をクリエイトする試みです。ベテランの職人さんは、今まで漉いている自分の紙をデザイナーに提供しデザイナーが味付けというか、商品(試作品)にしていました。若手見習いの人たちは、デザイナーとともに新しいタイプの和紙を創造しようという意欲に満ちあふれていて、デザイナーの提案に試行錯誤を繰り返しながら紙を漉いている様子を垣間見ることができました。ベテラン職人さんにしてみれば、自分の紙に対する価値観との隔たりに拒否反応をおこしても不思議でない内容です。しかし、それを受け入れ、共に発展させようという姿勢は大変立派であると感じました。ここに美濃の底力があるのだと確信しました。
 この企画は、プロデュースしたデザイナーの提案に、賛同したデザイナーや美濃の紙漉きが損得抜きで取り組んだからこそ成し得たものであると思います。5年計画で進行させるようですから、来年以降の発展が楽しみになってきました。

(2002.3.14) 
 3月7日に名古屋芸術大学の卒業制作展を見てきました。絵画、彫刻、デザインの各科があり約200点が展示されていました。興味深かったのは、版画の幅の広さというか自由度です。まるで現代彫刻を思わせる作品やアニメーションなどもあり、自分の不勉強を反省するとともに今後に期待を持ちました。
 全作品の中で気になったものは、彫刻科青村奈苗の「もとのところに」と題された作品です。円筒形の大木の内側に割れたガラスを貼り巡らせ、巨大な万華鏡のようになっています。中に入れるようになっていましたが、私には隙間が狭すぎて入れませんでした。外から眺めて考えたことは、中に入ると自分が粉々に打ち砕かれ、自分そのものが存在しなくなってしまうだろうということです。「もとのところに」は結局宇宙のチリになってしまう人間の存在意義を問いかけた作品だなと感じました。

(2002.2.17) 
 美濃の若手紙漉きさんたちに誘われ2/6-2/12までフランスとイギリスに出かけました。
 パリでは、モンマルトルの丘や美術館など絵画や美術工芸品に触れ、教会を訪問し、犬の糞に注意しながら町中をぶらつきました。
 過去に侵略や支配をしたりされたりを繰り返し、様々な民族、宗教の人たちが暮らします。そのため様々な問題も多くあるようです。パリはニューヨークを抜いて犯罪発生率が世界一になったそうです。私も危うく10代の3人組少女スリにやられるところでした。暗い影もありますが、長い歴史と気候風土、宗教などによって培われた都市は、過去と現在が見事に調和し重厚で奥深くハイセンスなたたずまいでした。街行く人々も嫌味が無く自然体でファッショナブルな人が多く、センス無い自分には羨ましい限りでした。パリの凄いところは、歴史的町並みを表面的に壊すことなく現代生活に適合するよう増改築し、また、近代から現代に至る芸術文化の流れを街作りに反映させ、違和感無く調和させているところです。久しぶりの訪問でしたが、今までと違った経験ができとても有意義でした。
 今回の旅行の主目的はイギリスで開催されている日本フェアの和紙展です。イギリス各地で様々な行事が開催されているようですが、PRされていないのかほとんど知られていないようでした。
 イギリスは初めてで期待を込めて出かけました。町並みはレンガ造りの家々が軒を連ね、当然パリとは違った趣がありました。ロイヤルファミリーを中心にした国であることが、街を歩くとよくわかりました。イヤだったのは地下鉄のホームで酒やビールを飲み、歌って大騒ぎする大学生達です。日本でもそういうことはあるんでしょうが、パリの地下鉄では見られなかったことですから、余計に衝撃だったかもしれません。
 ロンドンでいろんな博物館を見学して確認できたことは、フランスやイギリスは他国からの搾取で大きくなった国であると言うことです。膨大なコレクションの多くは外国から持ち帰ったものですから。そんな博物館の一つヴィクトリア&アルバートミュージアムに江戸時代の貴重な和紙の「パークスコレクション」があります。このコレクションは搾取したものではありません。一部を拝見させていただき、未だに衰えることのない和紙を目の当たりにしたとき、職人の鼓動が聞こえてくるようで、当時の紙漉き技術の高さに驚きと感動を覚えました。
 今回の旅行中、同行した人が教会に入ったとき「宗教・建物・絵画・音楽・人間が一体となって初めて芸術や文化が理解できる。」と言いました。その通りです。
 ノートルダム寺院の資料室に展示されていたパーチメントの楽譜
 パーチメントは綿羊の皮をなめして作った書写材料で、パピルスに代わりヨーロッパを中心に15世紀頃まで使われました。紀元前2世紀に現トルコのアッタロス朝エウメネースII世がエジプトからパピルスの輸出を禁止されたため開発したと言われていますが、実際には紀元前15世紀には作られていたと言われています。紙が普及した後も、高級書写材料として使われていました。 子牛の皮を使用したものを特にヴェラムと呼びます。


(2002.1.21) 
 2002.1.19、私の職場(和紙のふるさと:愛知県小原村)でカンゾカシキを行いました。カンゾカシキとは、和紙原料のコウゾを甑(コシキ)で蒸し皮をはぎ取る作業のことで、コウゾがカンゾコシキがカシキになまったものです。
 6年前に建てた桶を持ち上げるための櫓が腐ってきたので、今年は櫓の組み替えから準備を始めました。裏山からヒノキを切り出し枝を払って虫が付かないように表皮を剥きます。皮を剥ぐときに時々樹液が顔にかかります。生きている木を伐採した罪悪感と役に立ってくれる感謝の気持ちを忘れず作業しました。ヒノキの薫りはまさに森林の恵みで心が洗われます。
 櫓の組み替えが済むと桶の点検です。桶を覆っているシートを取ってビックリ!! なんと底板が抜け落ちていました。桶はタガの力を借りて助け合いながらなんとか形をとどめていました。タガが外れればバラバラになって素人では修復不可能になります。底板を慎重にはめ込み、二度と抜け落ちないように補強し、更にタガにも補強をして桶の修理を完了しました。これで無事カンゾカシキが実施できます。
 1/17.18でコウゾを刈り取りました。コウゾを移植栽培してから3年が経過し、株も順調に育ちました。株を痛めないように刈り取るのはなかなか大変ですが、立派なコウゾがたくさん収穫できました。収穫したコウゾを桶の被る長さに切りそろえ、太さをそろえて束にします。これで原料の準備も完了です。
 いよいよカンゾカシキの本番です。御神酒を捧げ作業の無事とコウゾへの感謝を祈りました。約4時間かけて蒸されたコウゾは、サツマイモを蒸かしたような薫りがします。桶を上げ冷水をかけてコウゾの皮を剥きやすくし、冷めないうちに皮をはぎ取ります。小中学生や講座の生徒さん、飛び入りの人たちのほとんどが初体験でしたが、ツルンと剥けるコウゾにビックリしながら楽しそうに作業をしていました。と同時に和紙を作る手間暇の大変さを感じ取ってくれたようでした。作業終了後は熾きでバーベキューや焼き餅、焼き芋をして楽しみました。

(2002.1.10) 
 2002.1.8、25年ぶりに佐久島を訪問しました。佐久島は愛知県の三河湾に浮かぶ小さな島です。この島では、島興し?の一つとして祭りとアートをテーマにした催しが開かれます。今回は岡崎市在住のアーティスト松岡徹さんと島民のコラボレーション「松岡徹、サクシマ劇場」が弁天サロンで開催され、見学に出かけました。
 島民の子供達が思い思いに粘土で形を作り。それを松岡さんが型にして紙の張り子を作りました。更に電球を仕込み、漁村の倉庫に並べて展示していました。総数100体の小さな照明が周りの漁具や倉庫の雰囲気と抜群の相性で私を魅了してくれました。展示場が佐久島の倉庫、形を作ったのが佐久島に暮らす子供達ということが、この展覧会の成功に結びついたんだと思います。こういうことを繰り返すことで子供達は佐久島を誇りに思うことでしょう。まさに松岡さんの狙い通りといえます。弁天サロンでは松岡さんの作品が展示されていました。愛にあふれた不思議で素敵な作品は、両腕を前に差し出し手のひらを天に向けています。慈愛に満ち心が洗われるようでした。


(2001.12.28) 
 先日JR岐阜駅に隣接するACTIVE G「匠工房」へ行って来ました。いろんな匠をたくさん集めて一つのエリアにしていました。正確な数は分かりませんが、50程度のお店や工房があり、買うだけでなく様々な体験ができるようでした。JRの高架下にこのようなスペースを作ることを提案した人、それを受け入れた岐阜の人たちは、素晴らし感性の持ち主だと感心させられました。さすが岐阜の風土でしょう。私の住む愛知県だとこの様な考えがあっても実現できないでしょうね。何せ未だにバブルの遺物にこだわっているんですから。
 さて、今回は2階のギャラリーで開催されていた名古屋芸大生の現代彫刻グループ展(展覧会の名称を忘れてしまいました、ゴメンナサイ。たぶん「@NG」だったような)が目的でした。作品の善し悪しはよくわかりませんが、どの作品からも「生きることの意味」への問いかけがあったようです。今を生きる若者ならではのメッセージが伝わってきました。個人的には新聞記事などをピックアップして打ち直したものを壁に貼った作品が一番ストレートだったと思います。でもあれは彫刻かな〜? 土の固まりを削りだした作品は、断層を連想させ人間の営みの小ささを思い知らされた気がしました。


(2001.11.25) 
 職場の池にカワセミが姿を見せています。コバルトブルーの体は、くちばしが鋭く尖り無駄のない美しさで小さくても存在感があります。池の畔からのびる枝に身を潜め、じっと子魚の来るのを待つ姿はハンターそのものです。獲物を見つけると素早く飛び込み、見事に魚を捕らえますが、池から枝に戻る姿はバタバタとして危なっかしさを感じます。魚を捕らえるために進化したフォルムは、飛行を犠牲にして得られたものだと確信しました。


(2001.10.31) 
 先日愛知県豊橋市にお住まいの方から館に手漉きのちり紙をたくさん寄贈していただきました。いわゆる「尻ふき紙」ですので墨のあとなども残り、しかも繊維が結束して厚さはマチマチで粗悪そのものです。粗悪な紙でも手漉き和紙を尻ふきに使うんですから今の時代では贅沢な話ですね。で、この紙を見ていて、最近はこういう和紙しか売れないことを思い浮かべました。まじめに丁寧に塵を取り、混じりっけのない正直な和紙が売れずに、わざと塵や未叩解繊維などを入れた紙が売れるのです。いろんな和紙が売れると言うことは、新しい用途を広げる意味で有り難いことですが、本当に残さなければならない和紙が忘れ去られるようで悲しい気持ちになりました。


(2001.10.25) 
 昨日(10/24)講座の生徒さん達と越前和紙の産地、福井県今立町に今立現代美術紙展と産地見学に出かけました。現代美術紙展作品を数点見るうちになんだか気が抜けてしまいました。ケチを付けるつもりはありませんが、あきらかに質の低い作品が受賞し、良いと思う作品が受賞していなかったからです。芸術には人それぞれに見方や感じ方があるので、私と審査員の見る目が違うといってしまえばそれまでですが、紙の特性を生かし切れていない受賞作品には納得いかないものがありました。それでも、繰り返し見ていくうちに作者のメッセージが伝わる作品が数点あったのは救いでした。
 産地見学では和紙組合の皆さんにご無理をお願いしじっくり見学できました。ドヤドヤと押し掛けた我々を暖かく迎えていただきありがとうございました。越前和紙の奥深さを改めて感じ取ることができました。


(2001.10.08) 
 10/06(sat)岐阜県美濃市で開催された「美濃和紙あかりアート」展に行って来ました。このイベントは美濃の古い町並みをPRし活性化しようと、美濃市観光協会が中心になり始められたそうです。高校生を含む地元ボランティアの人たちが一体となって運営にあたり、素晴らしい行事に発展しました。8回目になる今年は500あまりの応募作品が展示されたそうで、和紙に対する感心の高さと素材としての魅力を感じた人の多さに驚きと感動を覚えました。
 ただ、作品は昨年、一昨年と比べて残念な内容でした。言葉では言い表し難いんですが、制作の苦労や工夫は見て取れましたが心に訴えかける作品がありませんですた。回を重ねるごとに和紙の使い方がパターン化し、新鮮な感動がありませんでした。これは、自分が会場の雰囲気に慣れてしまったことや、作品数が多くて作品同士が干渉し合ってしまったことによるものかもしれません。でもヤハリくるものがなかった、残念!


(2001.9.30) 
 今日は一閑張りの「塗り」を学びました。ウルシコースの人はウルシにベンガラや金属粉を混ぜて色ウルシをつくり宿題で仕上げてきたものに絵付けをしました。かぶれを心配しながらも丹念に練り合わせる姿、自分の造形を求める姿勢に感動しました。カキシブコースの人は型に張り重ねてきた和紙をはずし、カキシブを塗りました。初めてカキシブを体験した人は強烈な匂いに顔をしかめ、家に帰っても作業をしなくてはいけないので、追い出されないかと心配していました。ウルシもカキシブも独特の匂いがしますが、慣れてしまった私は「和」の心地よさを感じます??・・にしても、今日のカキシブは一段と強烈でした。鼻が取れそう。


(2001.9.25)
 職場で担当している講座「小原塾」で工芸作家から一閑張りを学んでいます。生徒さんだけでなく自分でも一つ作りかけていますが、なかなか奥深いです。どんなものができるやら??
 また、秋の特別展ポスターができました。昨年同様、和紙を自由に加工してポスターベースに貼り付けてもらうものです。結構評判イイみたいです。


(2001.8.27) 
 8/19-22 北海道へ出かけました。最終日に富良野ワイン工場へ立ち寄ったら「ふらのワイン和紙」というのを売っていました。3年程前からワイン工場の一角でブドウのツルを原料に紙を作っているとのこと。早速拝見しました。
 どうやら幌加内の
ササ紙を参考にしたようですが、詳しい人が居なくてわかりませんでした。和紙ではなくて手漉きの紙ですな! ちなみに、紙すき体験もできます。


(2001.8.06) 
 8/5 職場の一大イベント「和紙良いフェスタ2001(ワッショイフェスタ2001)」が開催されました。紙の舟タイムアタックレースでは30艇のエントリーがあり盛り上がりました。ワークショップでは落書き和紙風船や和紙のボールペン作りが大盛況で、小さなお子さんも喜んでくれました。毎年楽しみに参加してくださる人も多く、また、各方面からの協力もあり主催者としてありがたいことだと感謝しています。準備から打ち上げまでビール浸けでした。ヒック!


(2001.7.22) 
 昨冬このWebで照会している佐藤友泰さんからいただいたオオガハスの芽が出ました。職場の池に植えたんですが、工事で一時水を抜いてしまったため心配していました。と安心していたら、コイが蓮の根本あたりを掘っているじゃないですか。鯉除けのネットを張らなくっちゃ。


(2001.7.10) 
 今年も職場で担当している講座小原塾がはじまりました。ペーパーアーティストを養成しようというもので、芸大の先生や陶芸教室の講師、書家、内装屋さん、芸術家のたまごさんなどなどユニークな顔ぶれになりました。今後の展開が楽しみです。


(2001.6.12)
 6月8日〜10日まで新潟県小国町と高柳町で「全国手漉和紙青年の集い」があ出かけてきました。若手紙漉職人を中心に和紙関連の人たちが集まり終日(夜通し)語り合いました。
 帰宅後、当サイトが(財)高度映像情報センター
2001[good site]賞に選ばれたことを知り感激してしまいました。訪問してくださった皆さん始め、多くの方々のご協力のおかげだと感謝しています。ありがとうございました。


(2001.5.11)
 5月16日で「和紙の博物館」開館1周年です。つたないWebですが、入館者の皆様に励まされながらやってくることができました。今後も和紙の発展を願いつつ、より充実したサイトを目指して頑張ります。


(2001.4.16) 
 このところ通勤途中にトンビをよくみかけます。そろそろツバメもやってきます。職場で借りているゲストハウスには毎年ツバメが巣を掛けるので、排泄物の掃除が大変です。でも、ツバメの雛を見ると嬉しくなります。


(2001.3.23)
 最近はメッキリ春めいてきましたね。毎年この時期から花粉症に悩まされ、外へでるのもいやになります。そんな中、今日ミツマタが少しだけ開花していました。例年より少しだけ早い開花ですね。


(2001.3.2) 
 昨日(3.1)愛知県博物館協会の歴史民俗部門研修会で明治村(愛知県犬山市)に出かけました。テーマパークの先駆けとなった施設ですが、設立の主旨は今日のそれとは比較にならないほどしっかりしています。なにせ博物館ですから。
 研修会の内容はというと、文化財の保存と修復。実際に体験しながら古文書類の修復方法などを学びました。


(2001.2.9)
 2001.2.3(土)に和紙原料のコウゾを蒸して皮を剥ぎ取る「カンゾカシキ」をおこないました。コウゾを束ね、桶をかぶせた後3〜4時間かけてしっかり蒸します。コウゾを蒸すときの匂いは、まるでサツマイモを蒸かしているようです。 蒸すときにでる熾きで焼き芋やバーベキューを楽しみました。寒い中で呑んだビールは格別でした。


(2001.1.23)
 2001.1.27(土)に封切りとなる話題のホラー映画
狗神(いぬがみ)は、紙漉をする女性坊之宮美希(天海祐希)が主人公です。
 この小道具に使われている和紙製品の一部はこのWebで紹介している
山浦定雄さんが作りました。
 怖がらずにさがしてみてくださいね。


(2001.1.4)
 2001.1.4(木)今日は21世紀の仕事始めでした。
 年末の暖冬とはうって変わり、朝から雪が降り続けました。出勤時に1cm程度だった積雪も夕方には約8cmになりました。こんな悪天候の中をわざわざ足を運んでくださったお客さんに感謝感謝です。


(2000.12.1)
 2000.11.22(水)仕事で私の担当している講座の生徒さん達を連れて福井県今立郡今立町に「越前紙」見学に出かけました。
 越前は日本で最も古くから紙漉がおこなわれていた産地の一つで、現在最大の和紙産地です。品質には大変なこだわりと自信があます。
 ここには人間国宝に指定されている越前奉書紙の第九代岩野市兵衛さん、福井県無形文化財に指定されている打ち雲紙の岩野平三郎さん、同じく墨流しの福田忠雄さんがおみえになります。
 帰りに買った越前ガニ!絶品でした。


(2000.10.23)
 2000.10.18(水)埼玉県比企郡小川町に「細川紙」を見に出かけました。ここは国の重要無形文化財に総合指定されているところで、以前から出かけてみたいと思っていましたが、ようやく実現しました。
 東京から電車で約1時間と聞いていましたが、実際には1時間半以上かかりました。夕方から新井さん(→)を呼びだし、アトリエを拝見してきました。(新井さん、駅まで送ってくれてありがとう)


(2000.10.01)
 職場の池にヤマセミが戻ってきました。けたたましい鳴き声で賑やかになりそうです。


(2000.08.20)
 夏休みに石垣島へ行きました。からっとした晴天で、日陰は非常に涼しかったです。以前から気になっていた芭蕉紙の原料である「イトバショウ」を至る所で見ることができました。


(2000.06.11)
 先日(6/8-10)、岐阜県美濃市で「全国手漉和紙青年の集い」が開催されました。その名の通り若手紙すき人が中心となって昨年25周年を迎えました。名称と歴史は引き継ぎますが、今年から新しい気持ちでスタートです。
 紙すき人が自由に語り合い、和紙への思いをより多くの人たちに伝えるためにWEBを立ち上げることになりました。若い紙すきの人間性が見えるようなWEBを目指しますのでお楽しみに。
(いつ立ち上がるかは未定です。)


(2000.05.07)
 先日(5/4)、愛知万博PR用に制作された和紙自動車「蛍」が、瀬戸市文化センター(愛知県)に展示された(5/3〜5/5)ので見に行ってきました。
 この車、愛知万博のテーマ「自然の叡智」を具現化したものとか。ボディー全体が和紙??(??は「の様な物」の意で、私が勝手につけた)でできていて、リサイクル可能なことと、ベースに電気自動車が使ってあることが「テーマ」を具現化した物という理由らしいです。
 難しいことはやめて、和紙??(コウゾ)が使われたことは嬉しい限りです。


(2000.04.18)
 先日(4/13)、長野県長野市へ行ってきました。時期的に杏の花が見頃だと思い期待していたんですが、まだ少し早かったです。在来種の杏は満開でしたが、数が少なくなったそうで庭木として残っている程度だとか。
 帰路、大町市まで足を伸ばし松崎和紙を見学してきました。


(2000.03.29)
 XX年ぶりに八方尾根(長野五輪会場)へスキーに行きました。3/26の雪で3/27は春スキーには珍しくパウダースノー!! スキーの心地よい疲れは温泉が癒してくれました。


(2000.03.19)
 昨日(3/18)、長野県飯山市へ行ってきました。ここは内山書院という障子紙の産地で農家の副業というスタイルを今も残しています。訪問した小林欣一さんの人柄に信州人の人情を感じました。近くアップしますのでお楽しみに。
 前日宿泊した湯田中温泉の旅館「まるぶん」はNETで見つけました。建物は昭和40年代と推定しましたが、女将さんの人柄と料理のおいしさは「
当たり」でした。


(2000.02.29)
 
今年は400年に一度の閏年!!つくづく運のいいときに生かされていることを実感します。
 
佐賀県大和町の名尾和紙(県指定無形文化財)をアップしました。近くにお住まいの方は是非お訪ねください。


(2000.02.17)
 
佐賀県大和町の名尾和紙(県指定無形文化財)に行ってきました。原料栽培から紙すき、加工まで地元に密着した仕事をしている素敵なところです。JR佐賀駅から車で約30分、近くには古湯温泉を始め多くの温泉があります。あいにく温泉には入れませんでしたが楽しいひとときを過ごすことができました名尾和紙については近くアップする予定です。


(2000.02.14)
 ミレニアムバレンタインを記念して掲示板を開設しました。博物館・紙や和紙・香水などについて楽しい意見をお寄せ下さい。


(2000.02.01)
 カンゾカシキ(コウゾ蒸し作業)は天候に恵まれ楽しく終わりました。今年はコウゾの育成が素晴らしく、きっと良い和紙ができることと思います。


(2000.01.23)
 このところカンゾカシキの準備で肉体労働の連続・・・、腕が筋肉痛でコーヒーミルを回すのもつらいです。


(2000.01.16)
 1/29にカンゾカシキをおこないます。和紙原料のコウゾを桶で蒸して皮をはぎ取る作業です。熾でバーベキューをしたりヤキイモをしたりと、結構楽しいです。


(2000.01.10)
 1/8.9と信州へスキーに行ってきました。久しぶりのスキーなので勘が戻るまでに半日ほどかかりました。それよりも体力というか、持久力の低下を痛感・・・ 体のあちこちが筋肉痛!!


(2000.01.04)
 A Happy New Year !! MILLENNIUMを迎え新たな気持ちでガンバルぞ・・・ と思っていたのに、いつの間にか寝正月。
 百貨店のMillennium記念福袋を買ったら大ハズレ!!(金額的には6倍相当) 今年も運が悪そう・・・


(1999.12.24)
 今日はクリスマスイブ。今夜のパーティーは秘蔵のアイスワイン(1989年ドイツ)で乾杯!!
くわ〜!! 仕事なんてしてる場合じゃない。


(1999.12.05)
 秋の異常気象で咲き遅れていた「四季桜」がやっと咲き始めました。この様子だとクリスマスあたりに満開になりそうです。クリスマスに桜が満開なんて素敵でしょうね。


(1999.11.14)
 正倉院展に行ってきました。朝5時30分に自宅を出て9時45分に到着。幸い行列もなく入館できました。あと10分遅ければ長蛇の列、早起きは3文の特というのは本当ですね。正倉院展は、私の研究している藤井達吉が最高の工芸に数えている「鳥毛立女図」が目的でしたが、初めて目にする「金銀平文琴」や「大宝2年御野国戸籍」があり感激しました。東大寺、唐招提寺、薬師寺を参拝して帰りました。


(1999.10.25)
 ジバンシーのπ(パイ)を買ってきました。トップノートからラストノートに至るまで甘さが持続します。ラストノートはCDのデューンプールオムみたい。この甘いところが無限をテーマにした香りなのかも(なんのこっちゃ)。行動的な女性にあいそうです。


(1999.10.07)
 展覧会ポスターを作りました。(といっても、デザインは同級生のデザイナーですが・・・)
21世紀に向けてのペーパーアートに挑戦する内容の展覧会ですので、和紙そのものを見せるポスターにしました。和紙の表情がわかるように立体的にしたんです。おかげで大好評。


(1999.09.25)
 ハープコンサートを1999.11.21に開催します。奏者は若手ハーピストのホープで世界的に評価も高い「岡島朱利」さんです。入場無料、整理券が必要です!!


(1999.09.13)
 今年も博物館実習が終了しました。例年に比べ熱心な学生が多く、満足できる講義内容だったと自己満足しています(^-^)。実は過去に私の担当した学生で学芸員になった人はいません。トホホ・・・(^_^;) でも、和紙や博物館を好きになってくれたと思うので良しとしています。
 9月14日付け特大号のエコノミスト(毎日新聞社)の表紙をめくると、「藤井達吉作 羊歯文風炉先屏風」が紹介されています。実はコレ私が写真を撮り原稿を書いたんです。


(1999.08.26)
 夏休みをいただき、生まれてはじめて沖縄に行って来ました。「沖縄に行ったら芭蕉紙を見て買って、沖縄限定香水も買って、いろんな博物館や美術館を見て回ろう」と決めていましたが、一人旅ではなかったので自由に動き回れませんでした。帰りの飛行機にギリギリ間に合うほどだったので香水も買えない。結局何の目的も達成されずじまい・・・(^_^;) 近いうちにリベンジだ!! 食べものは美味しかったです。


(1999.08.05)
 ハープコンサートが実現できることになりました。1999.11.21に開催します。奏者は若手ハーピストのホープで世界的に評価も高い「岡島朱利」さんです。詳細が決まりましたらお知らせしますが、とりあえず知りたいという方はmail下さい。
 昨秋岐阜県多治見市の斉藤さんにいただいたパピルスが、このところの暑さで元気よく育っています。新芽もどんどん出てきていますので、秋には株分けできそうです。


(1999.07.17)
 秋にハープのコンサートを計画しています。実現できると嬉しいな。


(1999.07.13)
 知人の佐藤友泰さんから、書票をいただきました。この書票は、佐藤さんの漉かれた紙に富山の吉田けい(金偏に圭)介さんが型染めされたものです。佐藤さんの工房をデザインしてあり、とても趣のあるものです。ちなみに吉田さんは、故芹沢桂介の弟子です。
 昨日(7月12日)ダビドフのクール・ウォーターを買ってきました。以前ムエットでテストしたときのトップノートは、なんだか軽薄に感じられ気に入らず購入しませんでした。日が経ち、自分の嗜好が変わったのか、昨日ムエットでテストしたら「こんな香りもイイかな」と思いました。


(1999.07.09)
 7月になり梅雨も中休み。
職場で紙すきの講座がスタートしました。アーティストや美大生、書家など個性的なメンバーがそろい楽しい講座になりそうです。


(1999.06.24)
 昨日(6月23日)名古屋市の東、日進市にある「マ・・・美術館」に行って来ました。ここは、開館時間も少なく、なかなか見る機会がないので楽しみにしていました。マア展示資料などはオーナーの拘りが伝わる物でしたが、彼の説明にヘキヘキしてしまいました。というのも、「これはxx円で高かった。これはなかなか出てこない珍品だ。これは今度オークションにかけて売ってしまう。」など、美術館として、あるいは美術館に関わる者としての思い入れが全く感じられなかったからです。以前お会いしたときも同様なことを言ってみえたので、ある程度は覚悟していましたが、これ程とは・・・


(1999.06.5)
 6月1日 元インド大統領の秘書官だった方がおみえになりました。帰り際に奥様が「とても上等なダージリンティーです。」といって、ダージリンティーの手もみファーストリーフをくださいました。立ちこめる香りと味が素晴らしかったです。
 6月3日 友人の女性学芸員と練馬区美術館で開催された「和紙のかたち展」を観てきました。以前にも何度か見たことがある作品が多い中、柳井嗣雄の「遺物」が面白かったです。
 帰りに恵比寿ガーデンプレイスへ案内していただき、チーズ各種を仕入れ、ワインで楽しみました。久しぶりの東京で有意義なひとときを過ごせました。


(1999.05.25)
 5月22日夕方、友人から電話があり「サクランボが実ったから取りに来ない?」二つ返事で出かけました。 やはり、木から直接とって食べるのはバカウマ!! 毛虫に刺されたことにも気づきませんでした。


(1999.05.15)
 5月10日、母校の大学に社会人講師として招かれました。4年生になると博物館学芸員資格取得のために博物館実習に行くんですが、その事前講義で館務の実情や業務内容、実習生に注意してほしいことなどを話してきました。
 やはり、真面目な話よりも脱線した話の方が興味あるらしく、こちらもついつい調子に乗って時間をオーバーしてしまいました。
  久しぶりに訪問したキャンパスは、国際関係の学科も増え外国人教師が何人もいたり増築されたりで多少様変わりしていました。昼食を学食の教員専用席でご馳走になりましたが、「高齢者が多いために薄味になっている」と聞きました。健康には気を付けましょう。(^o^)


(1999.04.21)
 4月20日、「ボストン美術館」の東洋部修復担当学芸員と広報部長にお会いしました。彼女らは4月17日にオープンした「名古屋ボストン美術館」に作品を出品するために来日しています。
 サスガに和紙についても造詣が深く、「気候による紙の肌や香りの変化なども敏感に感じ取っているな」と見受けられました。ボストン美術館には、古くから「
美栖紙・宇陀紙・薄美濃紙」などが大量にあり、今のところ修復には事欠かないそうです。ただ、「間似合紙」は無いと言ってました。
 次は秋に来日するそうで、
和紙産地をいろいろご案内する約束をしました。今から楽しみにしています。
 余談ですが、私は個人的に名古屋ボストン美術館(施設)を美術館として認めていませんので、Row's Homeでは紹介しません。


(1999.04.03)
 3月28.29日、富士山周辺に出かけました。28日はあいにくの曇り空でしたが、29日には麓からバッチリ富士をみることができました。久しぶりの富士で楽しいひとときを過ごしました。(誰と行ったかはナイショ!!)


(1999.03.27)
 3月25日、100年ほど前に建てられた茅葺き民家が解体されました。天井の煤竹を数本いただきましたので、竹工芸を勉強して何か作りたいです。きっと三日坊主(^o^)


(1999.03.22)
 手漉き和紙の若手生産者が中心(実は田村正さんに任せっきり)となって手作りで「紙漉き通信」を発行しています。年会費千円ですので是非ご購読下さい。詳しくは
 全国の和紙産地分布図を作ってみました。きっとあなたの住む町の近くにもありますよ。


(1999.03.01)
 
2月26・27日と石川県輪島市にある遠見京美さんの紙漉き場(能登仁行和紙)へ行ってきました。野暮ったい紙に素敵な魅力を感じてしまいました。


(1999.02.07)
 1999年2月号の雑誌「太陽」(平凡社)で「和紙と暮らし」が大きく取り上げられています。是非ごらんになって下さい。
 2/5 職場敷地内の池に鴨のつがいが一組飛来しました。氷の上を仲良く歩く姿はとても愛らしかったです。近くにいた I 子さん「アレって食べる鴨と同じですか?」。私「そーそー! 鴨はわりと美味しいですよ!!」 愛らしいと思いつつ食べたいと思った自分が情けない。


(1999.01.13)
 先日、愛用フレグランスの一つ「デューンプールオム」が無くなったので買いに行きました。そしたら店員さんが「ヒプノティックプワゾン」のサンプルを三つくださいました。三つももらってラッキー。デューンプールオムはイチジクの葉と樹、ヒプノティックプワゾンはイチジクの果実をベースにしてあって兄弟みたいな香りですね。

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