山神


山神のお祭り「山の講」

山の講は山神(やまのかみ)のお祭りである。山神は農耕などの産業神として人々に信仰されて来た。特に石屋さんは鉱山の守り神として崇め、旧暦の11月7日の祭日には山神に安全を祈願し、職人さんにその労をねぎった。
秋葉山(あきやさん)の山神のお祭りは昭和38年頃まで、12月中旬の日曜日に行われていた。お祭りの準備は、小学生により11月初旬から始められる。準備とはお祭りの当日、山神の前の広場で燃やす小屋を造る枯れ木、松葉などを集めに毎日出かけた。戦後、間もない頃の人は、朝、薄暗い内に集めに行ったそうです。そして、グループ毎の陣地を広場に何箇所か作り、そこで遊んだりしてから学校へ行った思い出があるそうです。
山である程度焚き物が集まると、最後に各家を回り、焚き物・藁(わら)を集めました。そして、祭りの1〜2週間前になると、2間四角位の藁ぶき小屋を造り、中は集めた焚き物で一杯にしました。
山の講の一番の楽しみは高学年になると、祭りの前日の晩に消防団の詰所で子供達だけで夜明かしが出来ることであった。薪ストーブで甘酒を沸かして飲んだり、お菓子を食べたり、ちょっぴり大人の気分にひたりながら夜を明かした。まだ薄暗い、6時頃に鐘やラッパを鳴らしながら町内を回り、秋葉山に出掛けた。
秋葉山に着くと、山神にお祈りをし、その後、造った小屋に火を付け、燃やし始まる。この頃になると町内の方々が「ぼた餅」を持ってお参りに集まって来る。小屋が燃え終わると、その”おき”の上にフライパンや網を置き、「ぼた餅」を焼いて食べた。「ぼた餅」を焼いて食べると、無病息災でいられると昔から信じられていた。
お参りだけは昭和44年までおこなっていましたが、その後は放置されている。山神は昔のままで秋葉山に鎮座されています。もう一度、山神にお参り出来る環境を整えたいものです。
・・・・・・と言う思いがあり、宇野薫さんが中心となり「山室を愛する会」を発足、その会が中心となりこの「山の講」を復活されました。