☆ ちだっちとエアライン
私が本格的に飛行機に興味を抱いたのは中学二年生の時のことである。そのときはただなんとなく、という感じで親に連れられて名古屋空港まで飛行機を見に行った。あの丸みを帯びた重々しい来たにはそんなに関心はいかなかったが、博物館にあったシミュレーターに試乗した時「俺も大空を舞台にした飛行機というものを操りたい」というような感想を抱いた。その後、一度も飛行機には搭乗したこともないくせにどうやったらパイロットになれるかという研究をしたり一時期月刊「エアライン」を本屋で立ち読みした時代もあった。とりあえず英語は使えるようにならなければ、と考えたのもこのことがきっかけであったといっても過言ではない。就職をしてからもお金を貯めてからライセンスを取る学校に行こうとも思ったが最近は視力が極端に低下し、またとっさのときに冷静に行動できるかどうかということへの疑問も感じ、最近はこのことに関しては挫折状態に陥っているのが現状である。よく言えば夢を10年間追いかけ続けてきた、という感じになるが、悪く言えば世の中を知らない単なる大馬鹿野郎にすぎない。あらゆる面において形あるものが無に帰してしまった今なにか新たな夢を模索している最中である。
話がそれてしまったが、私がはじめて飛行機に乗ったのはそれから8年後の大学4年になってからのことである。離陸するときのジェットエンジンの加速感、飛行機が地上から離れた時体に伝わってくる重力、「これで日本ともしばしお別れだな」とふと考えてしまうこと、が入り混じってなんとも言われぬ高揚感が心の中を占領したものである。もっとも、今でも離陸する時にはこのような感情をいくらか抱くので地上を離れるその瞬間はいつも鳥肌が立つ。このような新鮮な感情をいつまでも保って旅に出たいものである。
そんな憧れを持っていた飛行機であるが、ここでの第1位にはシンガポール航空を挙げてある。外見は地味で、ルフトハンザに似てなくもないカラーリングだが、サービスがよく、道中で不自由することもなかった。初めてエコノミークラスでモニター付の席に乗ることが出来たのもこのSQだった。ビデオを見る事ができ、しかもテレビゲームまでできてしまうことに当時は心底感動したものである。棒雑誌でSQのスッチーは顔と体で選んでいるとのうわさがあったが本当であった。ただ、乗客に対しての企業の顔となるのだから当然といえば当然名のかもしれない。以上の理由から私の中ではいまでも強烈な印象が刻まれている航空会社である。
第2位はタイ。白地に赤紫という大胆なカラーリングに“Thai”というややイラスト調のロゴがいかにもこの国のイメージを主張しているようで私は好きである。向こうの民族衣装らしきものをまとった乗務員があいさつをしてくれたり、ヴェトナムにてリコンファームをしたときも、時間外にもかかわらず快く引き受けてくれたなど、親切な対応がなんとも心地よかった。バンコクから名古屋に向かう直行便は深夜に出発するのだが、離陸直後からの夜景がまたすばらしい。思わず「天空の城ラピュタ」の歌を口ずさんでしまった。タイに遊びに行くときはぜひTGに搭乗して行きたいものである。
第3位はエアカナダである。緑に囲まれた赤色のかえでの葉が垂直尾翼に描かれているので遠くから見てもよく分かる。サービスが大変よかった。緑色の服をまとったフライトアテンダントを眺めているだけでもう自然が色濃く分布しているカナダに到着した気分にさせられる。
第4位はキャセイパシフィックに決定。アジアに行くことが多い私が一番利用する会社かもしれない。緑を基調とするやや地味な機体カラーとは裏腹に会社が発足した当時太平洋を横断できるような航空会社に、という壮大な夢を持って付けられたこの名前が好きである。機内サービスもまあ、普通のレベルであることが多いが、路線によってややあたりはずれのあるところかもしれない。過去に乗り継ぎ便で搭乗したら前のお客さんが残していったごみの残骸で機内が散乱して驚愕してしまったことがある。
第5位はチャイナエアラインである。名古屋空港の事故以来名称を変え、花のデザインを機体に盛り込んでいるが、名古屋地方出身の私としてはあまり印象派変わらない。だが、機内サービスはとてもよく、料金も安いのでまた使うと思われるところである。