和紙を漉く人、三浦一之さん(月山和紙)

 2001.09.20(木)
 山形県西村山郡西川町の三浦一之さんを訪ねました。台風15号の影響が落ち着いた頃に17号が発生、出掛けられるか心配でしたが心がけが良かったのか、急ぎ足で去ってくれました。名古屋空港を10:55発の飛行機で山形空港へ、11:55着、降り立った途端に肌寒さを感じ東北に着いたことを実感しました。早速予約していたレンタカーを借り一路西川町大字大井沢に向かいました。
 目的地の西川町自然と匠の伝承館へは空港から約1時間ですが、途中昼食を済ませ湯殿山神社を参拝したあと約束の2:00に到着しました。ビックリするような山の中だよと聞いていましたが、これ程とは・・・サスガ霊場出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)エリアだけあります。
 三浦さんはとてもにこやかに出迎えてくれました。

湯殿山神社
湯殿山神社

 伝承館の近くにある神社で、昔は大日寺という寺がりました。大日寺はかなり大きな伽藍を配していたようで、境内には人を寄せ付けない自然の荘厳な雰囲気が漂っていました。即身仏を祀る湯殿山神社は別の場所です。

三浦一之さん
三浦一之さん

 私が三浦さんと初めてお会いしたのは、数年前の全国手漉き和紙青年の集いでした。あまりお話をする機会がありませんでしたが、彼の紙漉に対する姿勢や努力、考えに大変感銘と刺激を受けました。私が「山形に行く機会なんて無いから青年の集いを開催してよ」と言うと「いいけど泊まるところがないし、交通も不便だからな」との返事でした。青年の集いは開催されませんでしたが、今回とても大切な用事で出掛けてきました。


 三浦一之さんはサラリーマン生活に別れを告げ、埼玉県小川町で7年間紙漉の修行をされました。その後、自然と匠の伝承館開館に合わせて山形にやってきて8年になります。以来国産コウゾにこだわり続け、月山和紙や染め紙など50種類もの和紙を漉いてみえます。「お客さんの要望に応じた紙を漉いていたらいつの間にか50種類になってしまった」そうです。

三浦一之さんの漉く月山和紙
未晒し薄紙
未晒し薄紙
未晒し中薄紙
未晒し中薄紙

月山和紙について----三浦一之 (全文をパンフレットから引用しました)
 かつて西山和紙の名で漉き継がれていましたが、昭和30年代の高度経済成長のあおりで紙漉が激減した際、飯野博雄氏が月山和紙と名を変え平成7年春まで独り守っていました。今は大井沢にある自然と匠の伝承館の紙漉工房が月山和紙を受け継いでいます。
 西山和紙の起源に関する確かな文献はありませんが、寛永16年(1639)には岩根沢で紙漉がおこなわれていたようです。16世紀後半、出羽三山信仰が多くの行者を奥の院である湯殿山に迎えました。登拝口として西川町には岩根沢、本道寺、大井沢があります。登拝口の寺社や庄内地方に広く販路があり、明治33年に221戸が冬季の副業として漉いていたという記録があります。
 月山和紙の特徴は、西川町産(不足分は高知産)の楮100%の手漉き和紙であることです。月山和紙判(1尺×2尺6寸)は全て板干ししています。薬品漂白はおこなわず、ソーダ灰による煮熟、特別な和紙は手打ちをしています。地理的特長を生かした和紙づくりを心がけ、雪晒しや寒ぐれをおこない、山形県の特産品である紅花、大井沢のブナやヤマブドウ、月山タケノコを取り入れた紙を漉いています。

ヤマブドウ入り紙
ヤマブドウ入り紙
シナ入り紙
シナ入り紙

ベニバナ入り紙
ベニバナ入り紙


自然と匠の伝承館

紙漉工房
自然と匠の伝承館紙漉工房
三浦さんはこの中で紙漉をしています

自然と匠の伝承館通路
自然と匠の伝承館通路

所在地:〒990-0721 山形県西村山郡西川町大井沢4110
TEL:0237-76-2112
入館料:大人200円(150円)/小中学生100円(50円)
()は20名以上の団体料金
休館日:月曜及び年末年始


自然と匠の伝承館

塵を取っている
丁寧に塵を取っています
一人でしているので
ちり取りが済むまで紙を漉くことはできません

コウゾを炊く釜
コウゾを炊く釜
釜が床に埋まっていないので作業がし難そうにみえます
周りについたアクが物語っています

大井沢工房さんぽ
工房内部
工房内部
三浦一之さん
工房前
 伝承館から車で5分ほどの所に自宅兼工房を作った。工房の名は「大井沢工房さんぽ」!今は未整備ですが、春頃にはこちらでも紙漉ができるようになるそうです。

TOP