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編集・管理人: 本 田 哲 康
宇宙の誕生     

                                                 


このページ

目 次
 1 M理論誕生への経緯について 
 補 この宇宙・・地球以外に生命は存在するか? 
 2 宇宙の形は・・? ポアンカレ予想が証明
 3 物質存在の根拠・・? 素粒子について 


1 宇宙 <あなたの知らない宇宙> -宇宙はたった一つではない。・・・・・ 無数の宇宙が存在する-

 日系サイエンス1998年5月号 に、以下のような発表がされた。
  「超ひも理論からM理論へ」 Michael.J.Duff(米国物理学会会員) を紹介した。
                  
 「物理学者の野望は、たった一つの理論で森羅万象を説明することだ。
 なすべきことは、強い核力、弱い核力、電磁気力と、まか不思議な重力を統一的に記述することで、この未踏峰を”
究極理論”と呼ぶ。
 つい最近、従来の超弦理論を包含する”M理論”が登場し、物理学者は一種の興奮状態にある。この理論がついに4つの力が統一する可能性を示すからだ。
 このM理論では、弦、2次元の膜、ブラックホールも重要な役割を果たす。」と、記述されていた。
                      
日系サイエンス1998年5月号(編集部)

 私は、NHK教育テレビ番組を見て、驚いた。
 ビデオを繰り返し繰り返し、見返してまとめました。1時間番組で、何回かに分けて解説していた。これを以下 のように要約してみました。

その

1




 過去百年間、「人間の五感を超越した不思議な世界が存在しているのではないか?」という一つの疑問は、科学者たちを悩ませてきました。
 しかし、神秘主義者たちは、「その世界には霊魂が溢れている。」と、そんな世界を信じてきました。
 物質を構成する基本的な要素、素粒子の正確な位置を、割り出そうと試みたが、まったく不可能だった。

 そして、この1920年代以降、物理学者はある奇妙な現象に戸惑っていた。
 素粒子の特性を調査してゆくと、その実態は、どんなSF小説より、遙かに奇異なものだと分かった。
 それは、素粒子は一カ所に留まってはいなかったのだ。素粒子は一カ所以上の位置に同時に存在している可能性があった。
 従って、「素粒子は私たちの宇宙にのみ存在するのではないのかも知れない?!」と、物理学者たちは想像した。

  「他にも、宇宙があるかも?」 と、予感したんですね?! 因みに、広辞苑によると以下のようにあった。
そ‐りゅうし【素粒子】  
 (elementary particle) 物質の構造を分子・原子・原子核と分けて階層的に見たとき、原子核の次にくる粒子をいう。相互転化を基本的特徴とする。   ・・・広辞苑より。
・・・

 物理学において素粒子(そりゅうし)とは、物質を構成する最小の単位のことである。
 最小の単位であるということは、それより小さな存在がないということであり、従って内部構造を持たず空間的な大きさを持たないとされるのだが、超弦理論おいては全ての素粒子は有限な大きさを持つひもの振動状態であるとされる。
 現在のところ物質を構成する素粒子と考えられているものは、クォークとレプトンである。だが、これらに内部構造が存在することが発見されれば、その内部構造を構成するもののほうが素粒子と呼ばれ、クォークやレプトンは素粒子ではないということになる。
 たくさんの粒子が、実は自然界にそのまま安定的に存在しているわけではないので、宇宙線の観測や加速器による生成反応により発見・研究された。素粒子の様々な性質を実験で調べ、それを理論的に体系化していくこと、及び理論的に予言される素粒子を実験で探索していくことが、素粒子物理学の研究目的である。
  ・・・・・From フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 2008年11月追加

 
  * 96%ですね?! *  
  今世紀の大発見は”ダークマター”と”ダークエネルギー”でした。
 宇宙に存在する星たちは、たった4%だった。
  !!2010年6月:京都大学で行われた物理学の国際セミナーで、テキサス大学の
 小松英一郎教授が、WMAPという探査機を使って、宇宙の果てからやってくる微弱な電波
 をくまなく測定した結果を報告した。!!
  暗黒エネルギー 約73%  暗黒物質 約23% 銀河や星などの元素 約4.5%
 正体がわからないから暗黒:Dark Matter と今のところ称しているが、素粒子であろうと言われている。  大発見であった。
            ***************************
 ○ 名古屋大学教授 杉山直 氏は、
「始め、あまりにも加速の速度が大きいので,半信半疑だった。次々に発表されるデータを見て、もはやこれは受け入れるしかない。と思った。」と、解説していた。
 人類の宇宙観を代えるかもしれないほどに大きなものであった。
  △ 400年前のガリレオの時代に、天動説から地動説へ
  △ 20世紀は、ビッグバンから始まって膨張する宇宙の発見
 ・・・・ダークマターは、それに匹敵する新たな宇宙観かもしれないことであった。
            ***************************
「ダークマターは宇宙創生の時点からあったに違いない。すべての物質は、宇宙創生の時点でできたと考えられている。そのときにできたのだけれど、我々の観測に今まで引っかからなかった物質が八割以上あったということだ。しかし、この暗黒物質の存在が無ければほとんどのものの存在が説明不可能なのだ。なぜ宇宙がこのようにあるのか?どうして、我々がここにいるのか?この世界がこのように存在するのか? ・・そのことが説明できないのだ。」「この空間におよそ1リットルに1個はダークマターが存在する。我われは今まで、宇宙に存在する物質の2割程度しか知っていなかったのだ。ビッグバン以降の我々の存在する宇宙は銀河も含めて、このダークマターがあったからこそ存在するのだと言うことが明らかとなったのだ。
 しかし、今、そこまでしか説明できないのである。」
        ・・・・・NHK「クローズアップ現代」立花隆 氏


その


















「あの世」の復活
 その結果、素粒子はこの宇宙と平行する他の宇宙との間を行き来している。
 そのような、いわゆる平行宇宙が無限に存在し、そのすべてが同じではなく、僅かずつ違っているというのだ。
 「別の宇宙では、エルビスプレスリーは、まだ生きているのだ。
 また、ここに居る私たちが、まだ生まれなかった平行宇宙が、別にもある」というものだ。この考えはあまりにも突飛だったので、しばらくは無視されて、受け入れられなかった。が、しかし、その後平行宇宙論は復活することになる。
             
 物理学者たちの最大の願いは、宇宙のすべてを説明できる、統一理論を見いだすことであった。
 古い諺がある。それは「願い事をするときは、それが実現したときのことを考えておきなさい。」と言うものである。
 長い間、願い続けた結果、物理学者たちは平行宇宙の発見へと導かれることになった。

                                                   ・・・・・・・・・・・<NHK解説者>

    注: CG提供 国立天文台「四次元デジタル宇宙プロジェクト」 2008.5

 
この銀河系には、私たちの太陽系に類するものが無数に存在する。
 また、この銀河系の背後にある光り輝く星に見えるものは、すべてこの宇宙空間に存在する他の銀河系。

 宇宙 ・・・ 私たちの命を支える太陽。
 太陽を廻る水性・金星・地球・・等の惑星。これを太陽系と言います。
 太陽系は、この宇宙の片隅に存在する、一個の銀河の中にある。その形は、目玉焼きのようなモノ。この中には、太陽に似た恒星が2千億個あるそうです
(2008.5)

 銀河の中央が目玉焼きの目玉。中央の膨らんだ扁平な形だそうです。幅は10万光年。
 太陽系の位置は、この目玉焼きに例えると、中心の目玉から、3万光年離れた場所に位置するところにあるそうです。
 さて、137億年前にビッグバンによって生じたこの宇宙には、このような我々の住む太陽系を抱える銀河(目玉焼き)以外の銀河が無数(数千万個)存在するといいます。

 
さて、ここでのお話は、更にその上、この宇宙以外にも形の似た宇宙や形の違う宇宙が無数に存在するというのです。

 海辺の波打ち際で岩に打ちあたってできる泡のように、無数にあるというのです。
       =壮大な話です。
その

平行宇宙の発見経過             ※ ニューヨーク私立大学 ミチオ・カク 氏(日系)   ミチオ・カク 氏のHPへ
 ミチオ・カク 氏が8歳の時、アインシュタインが死んだ。
 この時に、アインシュタインの未完の原稿があった。それは統一理論の原稿であった。
            
○ 1980年代
 新しい理論。英国の物理学者スティーブン・ホーキング氏。「物理学は、ついに神の心を知るところまで来た。」と言った。・・・『すべては「紐
(ひも)」からできている』と言うものであった。

○ ペンシルベニア大学 バート・オブレット氏
「物質は小さな粒子からなっていると思われていたが、今では、粒子ではなく紐
(ひも)からできていると言うことになった。」=素粒子の姿は、眼にみえない小さな紐であった。
 だが、これは他の専門の物理学者にさえ、容易に理解できない理論だったそうだ。

(T_T) 天才達の関心は、我々のそれとは隔絶したところにあるようです。 _(_^_)_
そう言うから、きっとそうなんでしょう?!
 輪ゴムのように閉じたひもは重力子、それ以外は両端のある紐だ。閉じたひもは重力子以外は、四次元のこの宇宙から抜け出ることは出来ないと言う。重力子は、他の平行宇宙にも自由に移動できるという。
 それにしても、随分と小さなヒモだこと?! そして大きなお話である?! 
その

超ひも理論に到達  物理の世界は、ヴァイオリンやギターのように、紐が奏でるハーモニーである。
 これは、シンプルでエレガントな理論であった。  そこで、この説こそは、統一理論かと思われた。
 それならば、宇宙の起源を説明できなくてはならない。可能であろうか?
            
  「様々な銀河、惑星、流れ星、生命・・・、これらは、ヴァイオリンのヒモが奏でるメロディーのようなものだ!」と、言うのです。
超ひも理論とは ・・・・By 「Newton] 別冊 「次元とは何か」
 1984年、行き詰まりかけた力の統一に突破口を開いた理論・超ひも理論とは、物質や力を構成する基本粒子を0次元のようなものと考えていたが、0次元の点ではなく1次元の「ひも」と考える理論だ。
  これによると、物質や力のもととなる基本単位の姿を、大きさのない点ではない「ひも」と考える理論である。
 ひもの長さは極めて短く、
  10のマイナス33乗cm程度(0.000000000000000000000000000000001cm)しかない。
 バイオリンの弦が、振動によって様々な音を発するように、ひももまた、振動のしかたによって様々な種類の素粒子に見えると説明される。
 超ひも理論には、10次元の時空が必要なのだ。
 我々が知る4次元時空以外の6次元は「小さく丸め込まれている」と考えるのだ。
 補:素粒子は、原子核の構成要素:クオークである。因みに、
大きさ
細胞 0.001mm
DNA 0.000001mm
原子 0.0000001mm
原子核 0.00000000001mm
 クオークは、当然、原子核の大きさよりも小さいものである。
 ”The Fouth Three”より引用  http://fewmonths.exblog.jp/
 これが、ニュートリノが地球や太陽でさえも突き抜ける理由なのです。弱い力のみで見渡すニュートリノの身になって考えることがコツです。

 原子がどのくらいスカスカか数値で示しましょう(太陽から来るニュートリノの持っている程度のエネルギーを考える)。

@仮に、原子の大きさを、太陽から冥王星までの半径の球、つまり太陽系の大きさまで膨らましてみる。
A同じ比率で、電子、クォークやニュートリノを膨らましても、それらの半径は10cmくらいの大きさにしかならない。
B水素原子を太陽系くらいの大きさに膨らましてみよう。水素原子は、太陽系くらいの大きさで、内部に何もない真空の球の中に、10cmくらいの大きさの電子やクォークが4個散らばっている、というくらいのスカスカさである。クォーク3個は原子の中でもっとかたまって存在するけど今の議論に影響しない。

 想像してみてください。
 ひも状の宇宙が振動して、星々が生まれると言う理論だった。
その

ビッグバンの説明  ◇ 統一理論 = ブリンストン大学 ポール・シュタインハート氏 
 初の恒星や銀河が造られたころ、つまり宇宙が十億歳だったころのことは分かっている。
  最初の原子ができた数十万歳の頃も分かっている。
  最初の原子核ができた誕生後数秒のことも計算できている。

               
  
もう少しで、ビッグバンがの謎が解明できるところまでたどり着きました。
  そして、ビッグバンの直後、10ー35秒後まで遡
(さかのぼ)ることができた。(マイナス35乗秒後)。
  「これで宇宙誕生のすべてが説明できる!」と、科学者たちは期待した。
            
  ところが、ここから暗礁に乗り上げた。二つの理論が自滅し始めた。計算は不可能であった。

マイナス35乗秒後とは、 ビッグバン開始から
 0.00000000000000000000000000000000001秒後のこと。
 「このくらいは、許容誤差では・・?! 」 と、通常の人はそう思う。ともかく・・・・。
 ここまでは、計算によって推計できたそうです。月に、宇宙船を200m違わないところに打ち込むことだってできた。技術も大したモンです。
  しかし、一方、額
(ひたい)の高さから手を離して下に落とした羽毛が何処に落ちるか?は、まだ、物理学では計算できないそうです。
 心理学も、100時間後に私が何処にいて、誰とどんな話をしているかを計算できません。
 まだ、毎年、台風に泣いている。
 ・・・・・。これが現実の世界だ。
その

ここから先に進めない  ※ 特異点
 すなわち「時間」の壁があった。物理学者たちはすべてが数式で表せると思っていた。ところが、最も重要な部分が物理の法則に当てはまらない。
 ビッグバンの始まりそのものが宇宙論最大のミステリーだった。
 一般相対性理論を使って、ビッグバンの過程を遡って行くと、特異点を発見する。
 ところがこの特異点では、
アインシュタインの方程式そのものが破綻してしまうのだ。
天才アインシュタインにも、もちろん、限界があったのだった。(ここでは、そう思われた。)
その

ひも理論に持ち上がった問題点  第二のひも理論が生まれ ・・・ その後、次々と、最終的には、五つの紐理論が誕生・・。
 「これでは統一理論は導くことができない。」・・「まったく無の理論だ!!」という、端の学者たちもいた。

 最初のヒモ理論に習って学者達がこぞって考えた結果、最終的に、1990年頃までに五つの理論となった。
              
 これでは、とうてい”統一”どころではない。

仏教にこんな話がある。蚤が像を見ると・・・・・。

 「それは動くトンネルだ。=鼻」「いや、大きな動く団扇
(うちわ)だ。=耳」
 「動く箒の化け物だ。=しっぽ」と・・・・。(人の眼には、象が象と見える。)
 人が世の中や人生を見ると、きっとこのように蚤が象を見るようなモノかも知れない。
 局部的にしか見えない。 ”如実知見”・”観自在”は至難だ。 

 天才物理学者も、視点の置き所によって、宇宙がそのように見えたのだろうか?!。
 我ら凡人は、あたかも蚤が象を見るような話。
 否々、宇宙などまったく見えな〜いゾ?!  
 (-_-;)
 その









 
  ※ ミシガン大学 マイケル・ダフ氏:超重力理論の若き担い手
 超重力理論の支持者は、自分たちの理論とそれほど違いがない紐理論の支持者に苛立ちを感じていた。
 二つの理論の違いは、「宇宙の次元の数」だけであった。
 ○ 三次元の世界に住んでいると考えている。 ・・・上下・左右・前後
 ○ 物理学がもう一つ加える(アインシュタイン)・・・・ 時間→ 四次元
 ◎  ひも理論では、空間の9次元+時間の1次元 → 10次元が存在
 ◎  超重力理論では、 → 11次元
            
 衝撃的なひも理論の発表:11次元を取り入れると、五つの紐理論が統一されることが分かった。

  方向音痴で、ナビがないと車に乗れない私。でも、何とか、三次元まではわかったつもり!  ??? ・・・・。
 
その

M



 (膜理論)
 ひも理論は、きわめて小さな紐があらゆる物質の基礎単位である。とする考え方。
  そこに十一次元を付け加えたことで、そのひもの状態は変化し、それぞれのひもの端は一つの膜の上に結合した。
 すなわち宇宙のすべての物質はこのような膜に結っていると結論。
         
 宇宙全体が一つの膜だという理論である。
 M理論(膜理論)と名付けられた。メンブレイン(Membrane)のM。
            
  十一次元は、三次元の世界のあらゆるポイントから、一兆分の1m離れたところに存在する。
  きわめて近い位置にあるのだが十一次元を感じ取ることはできない。
  この奇妙な空間に私たちの宇宙の膜が浮かんでいる。
  科学者たちは、これを 「ゴムシートのように、泡のように膨らんで・・・」  と説明する。

  こうなると、市井の凡人にとっては、物理学者の説が神秘主義者達の直感の話と区別がつかない。
  それにしてもデッカイ膜だ!
その





,




 
十一次元の空間の中に、もう一つ別の宇宙が存在すると言う科学者も現れた。・・が、当時は無視された。

 しかし、間もなく、「宇宙は、本当に一つのみか?」と言う命題に取り組み出す。
             
 ハーバード大学:リサ・ランダル氏(女性の物理学者)が口火を切った。
 「自然の中には様々な力が存在し、そのほとんどは解明できているが、重力の弱さは説明の付かないものである。」重力の弱さ・・・・非常に特殊なものである。
 重力は他のものに比べるときわめて弱い。= 地球全体が、人を引っぱり続けているのに、人はものを持ち上げることができる事実に着目したのである。
             
 ハーバード大学:ニマ・アルカーニ・ハメンド氏は、・・「私たちの足を地球に引きつけ、地球は太陽に引きつけられていますが、重力はそれほど強いものではない。
 信じられないほど弱いもの。
 私たちが簡単に、物を持ち上げることができるではないか?!」 と、・・・・・・。
 支持する学者:「冷蔵庫にくっついている微弱なマグネットで、クリップに近づけると、クリップはくっつく。いかに重力は弱いものかが分かる。」・・・と言う。

・・・と言うことらしい。何気なく見過ごしている「あたりまえ」なことは多い。
 『重力の弱さ』は、それだけに非凡な発想だ!!
  ところで、この女性の物理学者、なかなかの美女です。

その

十一







 それは=重力のしっぽ
 「十一次元の存在を考えると、重力の弱さを説明することが可能である。
 これは、重力が十一次元に漏れだしているからである。」と説く。
             
 ハーバード大学・リサ・ランダル(Lisa Randall)教授(女性)は、解説した。→ 「われわれの住んでいる膜宇宙の近くにもう一つの膜宇宙があって、そのもう一つの膜の上では、われわれの物理の法則は通用しない。
 重力がその膜のそばに集中しているとすれば、漏れだした他の場所(宇宙)では重力は弱くなるはずである。
 われわれは、重力のしっぽを見ているだけである。」 ・・・これで重力の弱さを説明できる。
☆ ひもは、二種類! ・・・・By 「Newton] 別冊 「次元とは何か」
 「ひも」には、輪ゴムのように「閉じたひも」と、「開いたひも」がる。
 「開いたひも」の端はどうなっているべきか?
 理論的に考える中で、一つの進展が見られた。

        
 四種類の素粒子(光子:フォトン、ウィークボゾン、グルオン、重力子:グラビトン)は、「ひものことなる姿」として説明された。
 この中で、重力子のみが閉じたひもで、それ以外は開いたひもである。重力子のみが自由に他次元にも自由に移動できる。
             

 しかし、そのためには、平行宇宙の存在を認める必要がある。
 彼女に続いて、多くの研究者がこの証明に加わった。

証明できるから、科学的という。証明できないからと言って、しかし、排除できないことも多い。日本人のみならず、”みんなで理解できないこと”を蔑視したがる癖がある。
        「人間は、知らぬということを知ってはいない。」 ・・・ソクラテス

その

十二











姿

・・

 
研究を進めると、至るところで平行宇宙が姿を現した。十一次元の中から至るところでまく宇宙が出現。
            

 (われわれの住んでいるのと同じ三次元の膜・エネルギーのシートに過ぎない膜・円筒形・ループ状の膜・・・、様々な膜で溢れている。)
 これらの膜一つ一つが、この宇宙と少しずつ違った平行宇宙なのである。

 素粒子の不安定な宇宙では、物質は存在できない。
 しかし、生命の存在する宇宙もある。無限にある宇宙。文明を持つ宇宙も無限にある。
            
 
 このM理論が「統一理論」なのだろうか?
                   
 ・・・「統一理論」であることを証明するには、この理論でビッグバンの始まりである特異点を説明できなくてはならない。
  斬新的な理論=平行宇宙論を打ち出した。

    とても楽しい話だ! ココに、すぐソバに、別の宇宙が存在しているんだ!
    浅学非才で凡人の私には、この話は・・・
       「霊媒師」の言うことのような・・・・。妙なお話だ。
       
その

十三



























 2001年まで、十一次元は穏やかな空間だと考えられていた。

○ ペンシルバニア大学  バート・オブレット氏は、 革新的な考えを発表した。
  「十一次元は様々なまく宇宙が嵐の海の波のように、のたうちまくる空間」 を考えた。
 そして、 「衝突したらどうなるのだろう?」 と。

○ ケンブリッジ大学 ニール・キロック氏は、
  この時、ビッグバン以前が解明されないままになっていたことに疑問を抱いていた。
  そして、バート・オブレットの考えに興味を持っていた新しい世代であった。 また、
○ プリンストン大学 ポール・シュタインハート氏は、同様に
  バート・オブレットの考えに興味を持っていた新しい世代 だった。
         

  上記の三人が、ケンブリッジ大学での研究発表会の後、そろって芝居見物に出かけることになった。

 その途中、電車の中で話し合っている内に、新しい理論を発見したのである。
         
 
特異点の謎:
 「ビッグバン=膜自体が波打っている。そして、その膜が波打ちながらの、膜同士の衝突によって発生する。

  ・・・恒星・惑星・銀河など多くの物質の誕生を、この衝突のエネルギーが生み出す。」というものであった。



結果、
 この考え方は、ビッグバン以前、そして直後にも当てはめることができた。

 時間も膜宇宙と共に存在し、ビッグバン以後にも継続していったと考えられる。

 時間をどんどん遡って特異点にまで辿ってゆく。特異点で突然時間は別の世界へ切り替わる。
 ついに、数学や科学がビッグバンの瞬間、未知の時点に踏み込めるようになった。

 無数に漂う泡のような宇宙・・・「ビッグバンはひょっとすると無数に起きているのかも知れない。」と、思われる。
   



 われわれの宇宙は、

『泡だらけの海に浮かぶ一個の小

さな泡』のようなもの,と言うことだ。
 ! 壮大な思想:華厳経 ・・・ ! ここで連想したのだった! 

(略) 従前の経典、特に『般若経』がもっぱら空の理法を強調するのに急であったのにたいして、『華厳経』は現実の実践〔菩薩行〕を強調しています。いわば、真空から妙有への展開の光景を示すものといえるでしょう。 そうして『華厳経』が説くのは、巨大な世界観です。
 現実の世界は、縁起の道理によって成立しているものであるといって、その成立の由来を次のように説いています。     
・・・・ 『華厳経』『楞伽経』 中村 元 現代語訳 大乗仏教 5 より
 『華厳経』 漢文書き下し文  盧舎那仏品 第二之二 九巻四0九下 より
                                    
・・・ 『華厳経』『楞伽経』 中村 元 現代語訳 大乗仏教 5 より
 「諸(もろもろ)の仏子よ。当(まさ)に知るべし。
 ・・・・ 一切の世界海
(せかいかい)は、世界海の塵(じん)の数(かず)の因縁(いんねん)有りて具(そな)わるが故(ゆえ)に成(じょう)ず。
 已
(すで)に成じ、当(まさ)に成ずべし。
 所謂
いわゆる(すなわち)、如来の神力(じんりき)の故に。
 法
(ほう)が応(まさ)に無上道(むじょうどう)を得(う)べきが故に。
 普賢菩薩
(ふげんぼさつ)の善根(ぜんこん)の故に。
 菩薩
(ぼさつ)が仏土を厳浄(ごんじょう)するに、願行解脱(がんぎょうげだつ)について自在(じざい)なるが故に。
 如来の無上なる善根
(ぜんこん)の故に。
 普賢菩薩の自在の願力
(がんりき)の故(ゆえ)に、願行解脱(がんぎょうげだつ)について自在なるが故に。
 如来の無上なる善根の依果
(えか)の故に。普賢菩薩の自在の願力の故に、となり。
 是
(かく)の如き等(とう)の世界海の塵の数(かず)の因縁が具(そな)わるが故に、一切の世界海は成ずるなり。(以下略)
 すべての世界の海は、無数に多くの因縁によって成り立っている。
 すべては因縁によってすでに成立しており、現在成立しつつあり、また未来も成立するであろう。
 ここにいう因縁とは次のことをさしている。それは仏の神通力である。またものごとはすべてありのままであるということである。また衆生や行為や宿業である。
 またすべての菩薩は究極のさとりを得る可能性を有しているということである。
 また菩薩が仏の国土を浄め美しくするのに自由自在であるということである。
 ・・・・・・これが世界が成立するための因縁である、というのです。
 『華厳経』は、説明、叙述のしかたも非常に雄大です。この一筋の最初と最後に「世界海」ということばが出てきます。
 これは世界というだけでもいいわけです。しかし、単に世界といってしまわないで、海が無限にひろがっているような、偉大な世界を考えるのです。
 この経典の原典はこのように広大な叙述をずっとつづけていて、何を説いているかを一言でいうのは、非常に難しいのです。
 そこで『華厳経』が中国へ伝えられると、華厳宗の人々は、この要点を簡潔に伝えるためにわかりやすい説明として考えたのが、先に述べた事事無碍の法界縁起の思想です。
 ことばをかえていうと、すべてのものは因縁によっておこるというわけです。
 なにも一つの絶対的な原因から何かがおこるのではなくて、ものごとがおこるためには主要な原因もあるだろうけれど、また副次的な原因が無数にそこに加わっているというわけです。
 因がおもな原因で、縁はそれを助ける原因なのだといわれていますが、そういうものが集まってこの偉大な世界がつくり出されているのです。


            Link   華厳経
◇ マサチューセッツ工科大学
   アラン・グース は、実験室で、宇宙を生産も可能。 ・・・とも言う。 
   
  補: ☆ この宇宙・地球以外の星に生命は存在するのか?
                              ・・・・シミュレーションドラマ(2008年4月放映):
「地球ドラマチック」より
 科学的な根拠に基づいて、およそ8光年の彼方の星

仮称「ダーウィン4」星に生息するであろう地球外生物の姿が、シミュレートされた。

           *******************

 科学的とはいえ、生物の姿や行動は根拠が不明であり、将来、我々が彼ら生命体に遭遇するとしたら、これらとは大きな相違点があるであろうと感じながら、ドラマを楽しんだ。・・・・管理人
シミュレーションドラマ制作に参加した知識人達
 古生物学者:
ジェームス・カークランド
 生物学者:
ディビッド・モリアーティ
 物理学者:
スティーブン・W・ホーキング
 生物学者:
カーティス・クラーク
 古生物学者:
ジャック・ホーナー
 物理学者:
ミチオ・カク
 ヒトゲノム解読者:
J・クレイブ・ベンター
 NSA:
ジェームス・ガービン
 古生物学者:
ジャック・ホーナー
 映画監督:
ジョージ・ルーカス
航空技術会社CEO:
ジョーン・ホルバート
 アーティスト:
ウェイン・バロウ
 学者達のコメントに興味が引かれた。
 物理学者:

 スティーブン・W・ホーキング
 「別の星で、生命の痕跡や原始的な生命が見つかる可能性は、かなり高いでしょう。
 地球では、生命が存在可能なところまで気温が下がると、すぐに原始的な生命が姿を現します。
 もし生命が簡単に存在しないものであれば、地球に生命が存在するまでに、後、数十億年は掛かったはずです。」

 「知的生命体を見つけたいのであれば、一番良い方法は、電波信号を探すことです。別の太陽系までの距離は、人類が旅をするには遠すぎます。宇宙探検はロボットが行うことになるでしょう。
 しかし、結果がわかる頃には人類は滅亡しているかもしれません。」
 生物学者:

  カーティス・クラーク
「・・・・。植物は光合成を行い、動物は動き回って餌を食べるそれは私たちにとって決定的なちがいです。何故なら、地球上の歴史上、生物は植物と動物という二つの系統しか存在しなかったのです。
 しかし、その二分法はあくまでも地球独特の分類法に過ぎません。外の惑星で植物と動物、両方の性質を持った生物が見つかっても何ら不思議はありません。」

 「地球上に存在している生物は、偶然の積み重ねによって今の姿になりました。
 例えば、6,500万年前に恐竜を絶滅に追いやった小惑星の衝突。あの偶然の出来事がなければ、地球上の生物は今とは全く別なものになっていたでしょう。
 ところが驚いたことに、外の生命他存在可能な星にもそれとよく似た生物が居ます。
 生物が特定の姿をしているのは何らかの理由があるからです。」
 古生物学者:

    ジャック・ホーナー
 「外の惑星へ生物を探しに行くのであれば、先ずしなければならないのは、<生物とは何か?>を、先ず、定義しなければ成りません。
 現在も生物の定義はいろいろとなされていますが、それらはすべて地球上の生物を基準にしたものに過ぎません。
 外の惑星に行けば地球上には存在しない分子から成り立っている生物もいるかもしれません。
 あるものを生物と呼ぶ前に、生物とは何かという定義をはっきりと定めておく必要があります。」
NASA(米国航空宇宙局)宇宙生物学研究所:

 ビクトリア・メドウズ(女性)
 「かつて或惑星の海の水が蒸発して無くなろうとするときに、或生物が体内に取り入れて、蒸発して無くなることを防ぐ、アメーバー状の生物も存在可能であろう。
 大きな海のようなアメーバー状の生物の存在も考えられる。水にはエネルギーを蓄えたり放出したりする性質があって、地球上ではしばしば水蒸気は嵐を生み出しますが、こういう星には水があまりありません。
 その代わり気温の差が原因で、嵐が起こります。
 塩の柱が並ぶ陸地と暗い海面では、日光の吸収率が違うために気温の差が生じます。海と陸地の気温の差が気圧の変化を生み、それが原因で嵐が起きるのです。」

 「必要な条件さえ揃えば、生命は宇宙のあちこちで誕生するはずです。
 外の生命体と出会える日がやがて来るでしょう。」
 物理学者:

  ミチオ・カク
 「知的生命体を発見するることが出来たら、生命は尊いものだという事実を、人びとに噛みしめてもらいたいものだと思います。
 地球に生命が誕生するまでには、数十億にわたる偶然の繰り返しが必要だと思います。
 地球には海があります。液体の水が集まった海。おそらく宇宙で最も貴重なものです。
 ところが、私たちはその海にゴミを捨て汚しています。
 人類は自分たちが今ここに生きていることの尊さに築くべきです。そして、母なる地球を守ることの大切さを良く理解しなくてはいけません。」

 「SF作家のアーサー・クラークはこう言います。『宇宙に知的生命体が居た場合、そして、居なかった場合、どちらもそれぞれに恐ろしい。』と。
 私は彼よりも楽観的な見方をします。もし人類が外の生命体と出会うことが出来れば、貴重な知識や様々な文化の交換が出来るでしょう。
 科学者として、外の星の生命体と出会える日を楽しみにしています。未知のものを恐れるよりも、人類の歴史を変える重大な転機として、大いに歓迎すべきでしょう。」「タコは物を見ることもできますが、足を使って動き回ることも出来ますが、文化は持っていません。
 情報を子孫に伝えていくことが出来ないからです。しかし、タコを何百万年も繁殖させていけば、話す能力、つまり情報伝達能力を持ったタコが生まれるかもしれません。
 或いは、全く新しい知的生物へと進化をするかもしれません。
 宇宙人が人類と似ている必要はないということです。」

 「『科学と哲学の最大の使命は、宇宙における人間の真の役割を見つけることだ。』とは、19世紀の科学者トーマス・ハーディーの言葉です。
 私たちは何者で、宇宙の中でどんな位置を占めて居るのか?
 それは、哲学・科学・芸術・・・すべての核心にある問いです。その答えがついに見つかるかもしれません。
 科学史上最大の出来事、地球外生命体の発見が、目前に迫っているからです。」
ヒトゲノム解読者:

  J・クレイブ・ベンター
 「単細胞生物の出現は、仮想生物が生存する星の進化の歴史においてきわめて重要な出来事です。どんな惑星であれ、単細胞生物が居なければ、大型の生物は現れることはありません。単細胞生物が集団を造りそこから多細胞生物が出現する。どんな大きな生物でも出発点となるのは、単細胞生物だったのです。」

 「外の惑星で生命を発見するのは人類にとって最もすばらしい出来事です。」
  NSA:

  ジェームス・ガービン
 「もし、地球外生命体の存在が確認されれば、私たちの宇宙に対する見方は大きく変わることでしょう。その生物と私たちとの繋がり、例えば肉体を造っているのが同じ物質かどうかというような点にも大いに興味があります。」

 「科学の進歩にともなって、宇宙に関する知識は更に深まっていくはずです。次世代の宇宙望遠鏡が打ち上げられれば、地球形の惑星の存在する証拠が見つかるでしょうし、宇宙の歴史についてより多くのことが解るでしょう。これ程多くの銀河が存在する理由も理解できるかもしれません。
 今は、まだ、解らないことばかりですが、すべてはこれから始まります。これから先、SFと科学の境界線は次第に薄れていくでしょう。
 地球外生命体の探査を続けていくことで、第一級のSFに匹敵する驚くような事実に出会えるにちがいありません。」
古生物学者:ジャック・ホーナー
 「地球外生命体を見つけるためには、私たちはかなりの忍耐が必要になります。沢山の探査機を送る必要がありましょう。」
 映画監督:
  ジョージ・ルーカス
 「すべては始まったばかり、宇宙への扉が開かれるのは、まだこれからです。人類が洞窟から出てきたのは、つい、この前なんですから・・・。
 次の20万年から30万年はすばらしい時代になるでしょう。楽しみですよ。」
 航空次述会社CEO:
 ジョーン・ホルバート
(女性)
 「外の惑星で生命体が見つかれば、地球は宇宙の中心ではないと解るはずです。」
 アーティスト:
   ウェイン・バロウ
 「この後の宇宙において、私たち地球はどんな存在になるのか、それを理解することは何よりも重要です。自分たちの住む世界を尊重し、宇宙とは一体どういう物かを理解し、・・・、大切なのはそのことです。」 
2 宇宙のは・・・?! <数学の巨人・ポアンカレ予想の証明> 2007年10月 NHK放映の抜粋
A アンリ・ポアンカレ(1851〜1912)とポアンカレの予想  
 物理学や哲学などあらゆる学問をマスターし、
レオナルド・ダ・ヴィンチやニュートンに並ぶ
 「知の巨人」と称えられた人物である。
1904年 

「単連結な三次元図多様体は、三次元球体と同相と言えるか」

 と言うものであった。
B アンリ・ポアンカレの予想とはどういうものか・・・わかりやすく言えば・・・・・
今年(2007)6月ポアンカレの母校・ポアンカレ高校で特別授業が行われた。
 講師は、パリ・オスセー大学名誉教授 ヴァレンティン・ポエナル博士。
 「誰かが長いロープを持って、宇宙一週旅行に出かけたと想像してみよう。」
 「旅を終え、地球に無事に戻ってきたとしよう。」
 「地球にかえって、宇宙に張り巡らせたロープを手元にたぐり寄せることができたら、宇宙は丸いと言えるはずだ。・・・・・と言うのが予想である。
○ 現実には不可能な話であるが、宇宙を外から眺めてみよう。
   ロープがどこにも引っかからないで、見事に回収できたら、
  宇宙はおおむね丸いと言えるのではないだろうか?
○ もし、ロープが引っかかって回収できなかったら、宇宙の何処かに巨大な穴が開いていて、
  或いは宇宙の形はドーナツ状になっているのかも知れないのだ。
○ ポアンカレは考えた。「宇宙の外に出なくても、宇宙の形を証明できるはずだ。」と。
○ しかし、この問題は非常に難しく、100年たってやっと証明できたわけである。
  この間に、実に多くの数学者が「ポアンカレ予想」と格闘してきたのであった。
C  数学発展の経緯
アイザック・ニュートン 1642〜1727  彼の微分積分は、その後微分幾何学へと発展した。難しい数式で図形を厳密にとらえる
アンリ・ポアンカレ 1851〜1912  位相幾何学(トポロジー)と言われる新しい図形のとらえ方であった。
 ポアンカレの遺したノートには奇妙な図形がびっしりと並んでいた。
 宇宙の形を問いかけるポアンカレ予想には、これほど斬新な数学が必要だったのである。
 トポロジーの世界では、ティーカップやドーナツは同じ形なのである。
 物の形のとらえ方がおおざっぱでとても柔らかいのだ。難しい方程式は必要としない。
 
トポロジーでは、穴の数が同じならば同じ図形と見なしたのだ。
ウルフガング・
ハーケン博士
現イリノイ大学
名誉教授
 ポアンカレ予想に出会ったときに非常に易しい問題に思えたと言う。以来彼はその研究に半生を捧げた。
 「いつも、証明の98%までは簡単に辿り着くのだが、後一歩で失敗しました。でも、そこで解決策が見つかり、しばらくはそれに夢中になる。それが駄目だと判る頃、又、他のアイディアが浮かんでくる。そうやって、精神的に振り回されドンドンはまり込んでいきました。」
 ある日、「ポアンカレ予想の証明に成功した!」と宣言した。
 だが、その三日後、ハーケン博士の論文に大きな間違いが見つかった。
リストフ・
ババリアコプロス博士
ギリシャ出身  パパの愛称で知られていた。
 この二人は、ポアンカレ予想を巡って激しくしのぎを削ることとなったのだった。
 パパは、「ポアンカレ予想にとりつかれた孤高の数学者」と言われていた。文字どおりこの研究に四六時中取り組んだのであった。唯一、人前に姿を現したのは午後三時のティータイムだった。同僚から食事やパーティーに誘われても、いつも断りこの研究に時間を費やした。
 この頃、二人を悩ませた共通の問題は、宇宙から回収したロープがいつも絡み合ってしまうと言う問題だった。
 ロープが絡み合わないような方法を見つければ、ポアンカレ予想に辿り着けるはずであった。
スティーブン・スメール博士 カリフォルニア大学
名誉教授
 彼は、トポロジーのカリスマと言われた。希代の天才とうたわれ、やることなすことが方破れであった。
 彼は過去の数学者達の過ちを探し始めた。
 彼は、この予想を証明するために(宇宙に放り込んだロープを回収するために)、ある奇抜な回り道を考えたのであった。
 「もし、三次元空間でなかったらどうだろうか?四次元・五次元だったら・・・・・?」と。
 「数学者にとっては、そのような考え方の拡張はそれほど馬鹿げたことではありません。三次元世界が理解できれば、数学的には10次元の世界も理解できるのです。」
ジェットコースタを、例にとると、こうである。
 地面に映ったジェットコースタの影を見ると、コースはぶつかりそれは絡み合っている。
 しかし、目線を三次元の現実のジェットコースタに移すと、レールは絡み合わないで走って居るではないか?!
 二次元ではぶつかっているジェットコースタも、二次元より高い三次元ではぶつかり合わないのである。
 スメール博士の戦略は、宇宙空間が実際よりも高い次元だと考え、その後、順番に低い次元へとすすみ、最後に三次元の宇宙の問題であるポアンカレ予想を攻略しようとするものだった。
 三次元では絡み合っていたロープは四次元や五次元では簡単にほどけてしまうことを、スメール博士達は証明した。
 この試みは、フィールズ賞に輝いた。
 ところが、スメール博士達の考えは、大きな挫折を迎えることになった。
  四次元や五次元では可能だったロープの絡みが、現実の三次元では全く通用しなかったのである。
 
 天才スメールは、ポアンカレ予想から撤退するという選択をした。
ウイリアム・サーストン博士 コーネル大学教授  マジシャンの異名を持つ、この数学者の研究が、誰も予想しなかった新しい道を切り開くきっかけとなった。
 彼は、絡み合っているロープを解くことは諦めるべきだと考えたのである。
 全く新しいアプローチが必要だと直感したのである。
 ポアンカレ予想は、「宇宙にロープを張り巡らせて、その輪を回収できれば宇宙は概ね丸いと言えるはずだ」と言っている。
 この予想は、ロープが回収できなかったときに、宇宙がドーナツ型なのかそれとも全く別の形なのか一切触れていない。
 宇宙が丸くないとすると、他にどんな形があるのだろう?・・・これが、彼のアプローチの入り口であった。
 「私は考えたのです。トポロジーを使って、宇宙はどんな形なのか?全部調べ上げることはできないだろうか??無茶な挑戦だとは考えたけれども、やってやろうと決心しました。」と。
・ 彼は、身の回りにある形をヒントにその分類を始めた。
 例えば、リンゴは丸いものの代表。
 それ以外は、穴の数で分類できた。
 問題は、宇宙のように決して外から見ることのできないものをどうやって分類すればよいのか?
 10年以上の苦闘の末、彼は驚くべき結論に達した。
・ 1982年に発表した論文に、サーストン博士はある一つの壮大な発想を述べた。
  『例えどのような形であろうと、それは
最大で8種類の断片で成り立っているはずだ。』と言うものであった。
「サーストンの幾何化予想」
 『三次元閉多様体は一様な幾何構造の断片に分解できるであろう』
   
 万華鏡に例えて考えると、万華鏡の模様は実に変幻自在である。しかし、もとを正せば、この模様は幾つかのビーズが作りだしているにすぎない。
博士の考え方によれば、宇宙も同じ。例えどのような複雑な形であっても、宇宙は8種類のビーヅが絡み合ってできているはずだというものである。つまり、有限な数のビーズが無限に複雑な図形を生み出します。同様に宇宙がどんな形であったとしても、最大で8つの種類の形が繋がり合ってできているはずだというものです。
 数学者達が驚いたのは、サーストンの幾何化予想が、実はその一部にポアンカレの予想をも含む壮大なる問いかけであるという事実であった。
 
○ 八つの断片は、一個は丸い形で他の七つは数学者達も理解できないような形でどれも丸くない形であった。
  ここでポアンカレのロープの話を思い出してみよう。
 宇宙の中に、一つでも丸くない形が含まれていたとすると、ロープは引っかかって手元に回収できないことに数学者達は気づいた。
 つまり、幾何化予想が正しければ、「ロープが引っかからずに回収できたら宇宙は丸い」と言えるのだ。
 『ポアンカレ予想を攻略するには、サーストンの幾何化予想を証明すればよい。』
 数学者達の取り組むべき相手は、ロープの絡み合いよりも、宇宙がどんな形であっても、必ず8つの断片に分解できることの証明に取って代わったのである。
グリゴリ・ペレリマン博士 1966〜  彼は、微分幾何学の発展に貢献することとなった。
 1994年、微分幾何学の問題の一つ
「Soul予想」を証明した。
 余りにも簡潔な論文に対して、研究室の教授(ジェフ・チーガー博士:ニューヨーク大学)は、「もう少しことばを補って丁寧に書き直すべきだ。」と指導した。かれはそれを拒否した。
  教授は次のように述べている。
「かれが拒否したときに、『マデウス』と言う映画を思い出しました。皇帝がモーツァルトにこういった場面です。君の音楽はすばらしかったが、すこし音符の数が多すぎる。するとモーツァルトは『の音符が余分なのか正確に教えて欲しい』と噛みつきました。『自分の作品には余分な音符もなければ足りない音符もない。』と、こう答えたのです。ペレリマンと論文の話をしたときも、丁度こんな感じでした。」と。
 ○ ジェフ・チーガー博士は述べた。
 「彼がロシアに帰国するときに、彼は私に幾つかの質問をしました。この時に彼の興味が大きく変わったことに気づきました。そこで私は言いました、その問題には興味がなかったんじゃ無かったのかね?と。その時に彼は「難問を解決できる可能性があるんです。」と応えた。」
 ○ それから7年(2002年秋)、数学界に奇妙な噂が流れた。
  ポアンカレ予想と幾何化予想の証明が出ているというのだ。
 論文の最後に、「こうすればポアンカレ予想と幾何化予想の証明ができるはずだ。」と書かれていた。
 そのインターネット上の論文について、殆どの学者は本気にしなかった。
  ところが、数学者達がその論文を読み進めても、なかなか間違いが見つからなかった。
 何処かに論理の飛躍があるはずだ?!と、数学者達の疑いは消えなかった。
○ 2003年、インターネットの論文の作者をプリンストン大学に招き解説を求めた。
 会場は、関係の数学者達で埋め尽くされた。
 壇上に現れたのは、あのペレリマン博士だった。
 何よりも驚いたのは、彼の証明の進め方であった。
 今まで研究者達が使ってきた手法とは似ても似つかないものであったからだ。
・ヴァレンティン・ポエナル博士(パリ・オルゼー大学名誉教授)は言う。
 「トポロジーの専門家達は、彼の説明が全く理解できませんでした。ポアンカレ予想の話だったのですが、ついて 行けなかったのです。正に悪夢でした。私の知らない方法で証明されてしまう瞬間を恐れていました。」
・ ジョン・モーガン博士コロンビア大学教授は、
 「皮肉なことに、あの証明にはトポロジーではない、微分幾何学が使われていたのです。それまでポアンカレ予想 に携わってきた数学者達は、証明が終わってしまったと落胆し、トポロジーの手法が使われなかったことに落胆し、更に、証明が理解できないと落胆しました。」
 彼は、微分積分学を駆使し高校時代にはぐくんだ物理学(温度・エネルギー・エントロピー等)を動員して宇宙を暖めたり膨らませたりしながらそれを8つの断片に分解して見せたのだ。
 エネルギーや温度など本来数学では使われない物理学の用語を次々と登場させ、「トポロジーこそ数学」と、思いこんでいた数学者達の度肝を抜いた。
○ ペレリマン博士の論文(2002年、2003年)この間に3つの論文が書かれた。
 
「リッチフローの三次元多様体への応用」
 これは、数学者達の足かけ4年の検証を経て、正しい証明であることが確認された。
   サーストン博士の幾何化予想が証明されたのだった。
 宇宙がどんな形であるにせよ、それは最大で8つの断片からなるという幾何化予想が証明されたのだ。
 同時に、ロープを一周させ、それを回収できる宇宙は、丸い宇宙であるという、100年の難問ポアンカレ予想が証明されたことにもなるのであった。
    
3 ビッグバン直後に・・・ 物質が存在しうる根拠 ?
☆ 私たちが棲む地球が何故誕生しなぜ存在できるのか? その謎に大きく迫るモノであった。
その謎を解く鍵は、137億年前、宇宙が誕生した瞬間にあった。
@  ビッグバン→宇宙の誕生・・その瞬間、宇宙は想像を絶する高温・高圧の世界であった。
A  すさまじいエネルギーの中で、クォークなどの素粒子が次々と生まれた。
B  こうした粒子の誕生と同時に生まれたと考えられるのが、反粒子であった。
 反粒子は、粒子と全く同じ質量を持ち、正反対の電気を帯びている。この二つがぶつかると、光を放ち、消滅してしまう。
C  反粒子は、宇宙が誕生したとき、粒子と全く同じ数だけ存在したと考えられている。 そこで、粒子と反粒子が全て衝突すると、光となりやがて消滅して、物質の基となる粒子は全てが亡くなって、宇宙や地球、そして我々も存在しなくなってしまうことになってしまうことになるのである。
 しかし、星たちも、我々を含む生物たちも、歴然として”存在”しているではないか?!。

 
衝突して、光となりやがて消滅

 
左は、往年の写真。前&後列の左端。
 上は、発表した論文の一部。
D  物質が存在する為には、粒子と反粒子との間で、何かが異なっているはずである。→「対称性の破れ」。
 この仮説に挑んだのが、小林 誠 氏 と 益川敏英 氏 であった。
 1973年二人は共同で、素粒子の一つであるクォークについて、一つの論文を発表した。
 数学的に導かれたこの論文は、当時の常識を覆す画期的なものであった。
 それまで、クォークは三種類存在することが観測によって確かめられていた。
  a 「ストレンジ」 b 「ダウン」 c 「アップ」
 また、理論上このほかにもう一つ・・・、四種類在るのではないかという説が最も有力であった。
E  ところが、二人は、この考え方に異を唱えたのだ。
 「物質が存在する為には、クォークは少なくとも6種類(6-plet model)は必要だ。」と、予言したのだ。
 二人は、クォークが4種類在るという従来の説では、粒子と反粒子が衝突すると全てが光となって消滅し、物質が存在し得ないことを、計算で示した。
 その上で、6種類在ることにすれば、粒子の一部が残ることを数学的に証明したのであった。
F  その後、二人の理論が正しいことが、数々の実験で明らかとなっていった。 
  翌年(1974年)、新しい素粒子:「チャーム」
 1977年には、五番目のクォーク:「ボトム」が発見された。
 1994年に、6番目のクォーク:「トップ」が発見された。
 これで二人の予言が裏付けられた。  予言から28年経ていた。
☆ 素粒子の種類 ・・・素粒子の関連性→「標準理論」
A  クォーク
B

 レプトン・・・(ニュートリノは、レプトンの中の1種類)
    ・・・この二つの粒子は、物質を実際に形作っている粒子で、”物質粒子”と呼ばれている。
 小柴昌俊氏(2002年受賞)の ニュートリノ発見は、二人の研究の先駆けであった。
 この他にも、粒子は存在する。それは、
 ○ 力を伝える粒子
 ○ 質量(重さ)を与える素粒子・・・ヒッグス粒子(未発見であるが、名前だけは付けられている) である。

  これらの関係性を、説明したものを「標準理論」と呼んでいる。
  (各種の素粒子間に在る秩序があって、それらをまとめて統一的に見ていける理論)
                 
 この標準理論の基盤を作ったのは、
南部陽一郎氏の「ひも理論」であった。
 二人は、この南部陽一郎氏の”対称性の自発的な破れ”理論の仕組みを、理論化して説明しようとしたものであった。

 実はそれ以前
(1949年日本初の受賞者)に、湯川秀樹(1935年理論の発表)氏が、宇宙から降り注ぐ素粒子の発見していた。
    
☆ ヒッグス粒子
欧州合同原子核研究機関(CERN) スイス・ジュネーヴ
2008年に1周27Km(真空のパイプ)におよぶ素粒子観察装置が完成(地下100mのトンネル内)
この中を、原子核を構成する陽子が猛スピードで走っている。
光とほぼ同じ速さで走る陽子同士を衝突させる。
この時に生まれる粒子の中から、ヒッグス粒子を見つけ出そうというもの。
いわばごく微少のビッグバンの再現である。
今までの初めての試みである。
「アトラス」と呼ばれるヒッグス粒子検出器だ。

 
光速で走らせて、衝突の瞬間をとらえる。

中心的な役割を担っている研究者100人以上が日本人だ。
東京大学素粒子物理国際研究センター 小林富雄 氏は、日本在住のリーダーである。

ヒグス粒子は、おそらく3年以内に見つかると思われている。

更に、存在が予測される、「暗黒物質
(Dark Matter)」の発見も期待されている。
☆ しかし、これだけではない。これ以上に物質があるはずだと思われている。





既知の物質の6倍以上在ると言われる。
しかし、これらはまだ発見されていないので、「暗黒物質
(Dark Matter)」と呼ばれている。
おそらく、重いモノであろうと予想され、高いエネルギーが必要だと思われている。
この装置に期待を寄せられている。
             
「暗黒物質
(Dark Matter)」は、「標準理論」を越えた理論が必要だ。
これには、南部陽一郎氏の「ひも理論」が重要視されている。
     重力を既知の粒子に取り込んだ理論である。

     
注:・・・・ 高エネルギー加速器研究機構広報参与 高柳雄一氏の解説による・・・・