〜設定的には、獏良君が「バクラ」の存在に気付き始めた頃…という設定です。〜
 獏良君FANの方、怒らないで読んでやって下さいませ…。
 ウチの獏良君は、こんな感じの子です…泣。
 さらに、流血沙汰になってます…泣。
 登場人物は「獏良了」のみです。
 それでも宜しければ、先へお進み下さいませ…。







































 僕は久しぶりに夢を見ていた。
 …いや、夢ではないのかな?
 小さい頃に一度だけ見た、怖くて、哀しい夢…。
 哀しいんだけれど、自分ではどうしてあげることも出来ず…。
 ただその場面を、一方的に、繰り返し見せ付けられる。
 気分の悪くなるような…。
 血に飢えた人達の、晩餐の宴。











 もしかして、もう一人のリングの人格に『見せ付けられて』いるのだろうか…?










 ふと突然視界がある一点を映し出す。
 どこか、異国の街並。
 空は闇の帳が下りている。
 その集落の一角の家の中。
 女、子供を容赦無く切り捨てて行く、数人の男の人…。
 どの時代のどんな出来事なのか、自分には全く判らないだけれど…。


 逃げ惑う丸腰の相手に、狂ったように何事かを叫びながら、剣を振り下ろす男達…。
 夢だと知りながら、周りをよく見てみる。
 自分の足元や、壁、部屋中の至るところに、血の後が走り、今も滴り落ちている。
 まるで、アールデコのようなソレ。
 そして、また新たに、部屋の天上に鮮血が飛び散る…。
 …ドサリと、足元に体が倒れこんできた。





 「…………っ!!!!」





 己の眼を疑うような光景に、咄嗟に口元を両手で押さえる。






 …倒れこんできた人には、頭部がついてなかったのだ。
 その切り口からは、今も鮮血が溢れ出し、自分の足元をも濡らした…。


 信じられないその情景。

 のろのろと、その死体から視線を外し、もう一度周りを見渡した。




 おぞまし程の死体の数とその血液が、部屋中を塗りつぶしていた。

 それを満足げに…いや、恍惚とした眼で見ている、おびただしい返り血をうけた男たち。
 顔や衣類は総て血に彩られて、赤黒く変色しだしている…。







 信じられなかった。







 これだけの、多くの命が、この人たちの手で、消された…。
 まるで殺戮を楽しんでいるかの様な、そんな、野蛮な人達に…。
 小さな、罪も無い子供達まで…。




 僕は?・・・?
 僕は、なんでこんなに無力なの?
 なにも、してあげられない!
 ただの…。








 ───『単なる、一傍観者』。








 そう思った途端、足もとの死体が起き上り、こちらを向く。



 見えないはずの、僕の肩を、思いきり掴んだのだ。




 怖くて、動けなくて…視線が、逸らせない…。



 ガタガタと、震える自分の体へと、死体から流れ落ちる血液が、ポタリと滴り落ちてくる。


 逃げようとするが、体が、動けない…。


 恐怖の余りに硬直している。



 一人の男がそれに気付き、剣を振り上げながらコチラへ走ってくる!

 「・・・・!!・・・・!!!」
 知らない言葉を叫びながら、切りつける。

 …その、狂喜を宿した、その眼で。

 また殺そうと言うのだ。
 もうこの人は、既に生命をを絶たれているのに…。







 
 こんな光景を見せ付けられ、もう、精神的に限界だった。


 「ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 両手で自分の体を強く抱きしめ、眼を閉じる事も出来ずに、叫んだ。




































 ねぇ、君は何の為に存在するの?
 なぜ、僕を選んだの?
 どうして君は、僕を…。









 僕の心まで壊そうとするの…?




















ちょっと、精神的に獏良君痛めでしょうか・・・?
こんなつもり無かったんですけど…汗。
ご免ね獏良君…泣。



2004.5/9.23:27.pm
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