be caught my ~.


今日は何もない日曜日…。
中々起きない僕に代わって、起き抜けにシャワーを浴びてきた彼は、黒のタンクトップにカーキのストレートジーンズを穿いて、素足で僕の部屋へと戻ってきた。
そしてパズルを身に付けて、開口一番に…


「なぁ…たまには家でゆっくりしようぜ…。」

ベッドの上で、背中と頭を壁につけて、けだる気に足を前に投げ出して…。
…そんな何気ない格好でさえ、凄く似合っててカッコイイんだけど。
僕はそんな事を考えながら、もう一人の僕の、その言葉に驚いたまま彼を凝視していた。
透けた体で。
彼の隣で。

「…どうした?相棒。」

だって!
だって!!!
だって!!!!!
だって、いつもは「カード屋に行こうぜ!」とか「M&Wの大会があるから参加するぜ!」とか「海馬とデュエルだ!」とか…。
必ず土日には、ひっきりなしに予定が詰まっていたのに…。
とか。
僕の頭の中で、色々いっぱい、いろんな事がグルグル回っていて…。

さっきから何も言わない僕を不思議に思ったのか。

「あい…ぼ・う?」

君が、僕を覗きこんできた。

「…どうした?」

君を見つめたまま、何も言わない僕に不安そうな表情で…。

「…それとも出かけるか?」

…あまり顔を近づけないで欲しいんだけど…。

「…オレと家にいるのは、嫌…か?」

…君の穿いてるジーンズも、タンクトップも…僕のなんだけど。

「…どうしたんだ?」

どうして君が着ると、こんなにも格好いいんだろう…。

「…相棒?…勝手にシャワー浴びたから怒ってるのか?」

…良く見てみると、僕が穿いた時よりも、なんかジーンズの裾が…短くなってるんだね。

「…どうしたんだ、相棒?」

君の心配そうな顔が僕のまん前にあった。
…ち・近づき過ぎだよ!!!

「…可愛いな。顔、真っ赤だぜ?」

…だって!!!
少しでも動いたら、君にくっついちゃいそうだからっ!
なんだかそう考えると、さらに恥ずかしくなってきた…。

くっつきそうな感覚が、ソレを伴わない身体だとしても…。
それでも。
その言葉の意味に…なんだか恥ずかしくって…。
そんな時、君がいきなり真面目な顔をして、僕を見た。

「相棒。」


滅多に見せない…凄く優しい、紫色の瞳で。

「相棒…。」

半透明に透けている僕の頬に、そっと手を伸ばして。
実体が無いんだから、触れられてる感覚なんて…無いんだけど。
でも、なんだか…。
その仕草ですら、僕の思考を奪って行く。
見とれてしまう。
君のさりげない、その指先に…。

「…相棒。」

…頬に手をあてないでってば!
恥ずかしいよ!

僕が抗議しても、君は聞いてくれなくって…。

「…遊戯…。」

君に名前で呼ばれると、僕はなんだか恥ずかしくて動けなくなる…。
…だって、なんだか恋人同士みたいだから…。
その僕の気持ちを知ってて、名前を呼ぶ君は、ズルイ…。

「…遊戯…。」

普段では聞けないような、君の優しい声が…

「遊戯…。」

君の掠れた声が…

「……愛してる…。」

僕の思考も…僕の全てを封じてしまう。
…頬を、両手で包まれて。
動こうと思えば動けるのに…体が、動かない。
この半透明な、感覚を伴わないこの身体は、いま、君に支配されてしまっている。
呼吸する事さえも。

「…お前を、愛している。」

真剣で、甘い瞳で見つめてくる、君に…。

「遊戯…。」

その瞳に捕らわれた僕は、動く事が出来なくて。

「お前を。」

もっと、顔が近づいてくる。
避けないと…。

…解ってるけど、動けない…


「…。」

…僕は、君に見られていることが恥ずかしくなって、どうしていいのか解らなくなって、目を閉じた。

「…ゆう…ぎ…。」

君の掠れた熱い吐息が…。


「…。」


僕の唇に…。

「……。」

触れた…感じが、した。

その一瞬のような、永遠の中で。
君に、僕の心の全てを奪われてしまったようで…。

ズルイよ、君は…。
僕は、まだ君に何も言ってないのに。
僕から、君に伝えてない言葉があるのに…。

「愛してる。」


君が先に言ってしまった…。
僕、本当は君より先にその言葉を言いたかった。


「…オレだけの相棒…」

そう言う君の、その眼差しが僕を捕えて…離さない…。

君は知らない。
僕が君に、ずっと前から捕らわれてしまっていた事を。
先に告白されてしまったから、この事は君には秘密にしておこう。
だから…。
返事だけを、君にあげよう。

「…僕も、君を………。」

僕は、勇気を振り絞って君に手を伸ばした。

「…君を………。」


キミダケヲ……。






2004'Jul,6.22:30p.m.


□be caught my~.□(捕まる…)
べたべたなアマアマでごめんなさい!この二人は風月様へ贈与させて頂きますVv
…あ、返品できませんからご了承下さいねVvv(鬼v)
尻切れとんぼで申し訳ないですが…汗。これを読んで、早く元気になって下さいvvv
と言うか…むしろショックを与えてしまったら、ごめんなさい!!!(大泣)
この小説はお好きになさって頂いて結構ですVv
こんな物を送りつけてなんですが…。
月華様のお口にあえば宜しいのですが…(心配です;)
このSSは風月華様のみDL可能です




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