三枚の神のカードがボクの手元に揃ってしまった…。

もう直ぐ時間切れになる証拠。
もう直ぐキミは還ってしまう証拠。

ボクの心の中から、キミは逝ってしまう…。
夏休みが近づくにつれて、ボクは何かに取り付かれたかの様に思っていた。
いや…そうじゃない。

キミがボクから離れてしまう事実が怖くて…
それが凄く嫌で…。
キミを手放したくなくて…。
今日も心の部屋でキミと二人だけの時間を過ごしてる。
それでも…
キミと話をしているこんな時でも、ボクは先の事を考えてしまう…


キミが還ってしまうその瞬間を。


キミの存在が僕の中から消えてしまう事を…
それでも理解しなくちゃいけないのに、理解したくなくて…。
ボクはキミとずっと一緒にいたいのに。
キミ以外は何もいらないのに…。
日々の時間が無くなって行くのが、凄く怖くて。
君と過ごせる時間が無くなっていってしまう事実に、指先が震えるぐらい怖くて…。
キミ、前にボクとずっと一緒にいるって約束してくれたよね?


ソレさえ、今のボクには気休めにもならないんだ…。


そんな事を思っていたら…
目の前がゆっくりと涙で霞んできた。



「…どうした?相棒…?」



優しく問いかけながら、ボクの体をその優しい腕でそっと抱きしめてくれるキミ…。
キミは人の心を読むのに長けているから、僕が今現在何を考えてたのかなんて知ってるんだろうね…



「…何でも…ない…よ…」



何でもなくないのに、そう答えながらキミの胸に顔を埋めた。

キミの腕の中は、いつも優しさに溢れてるね…

それに引き換え…

ボクは…

キミと離れたくなくて…

キミと離れる事を信じたくなくって…

キミとこうして触れ合ってる事実だけが、今は欲しくて…





「─相棒?本当にどうした?」





何も言わないボクを、心配してくれてるキミの気持ちが…
凄く、嬉しくて…
嬉しいけど…寂しくて…

心が引き裂かれそうに、哀しくって…

ボクは彼の背中に両腕を回して、そっと抱きしめ返した。
涙が零れるのを我慢しながら、震えるその手で。


「相棒…。」


そう言って、キミもボクを抱きしめ返してくれた。
本当はキミに言いたいんだよ。



「行かないで」



って…。



「ボクと離れないでいて」



って…。



神様…
できるなら…
彼をボクから取り上げないで…



それがダメなら…



ボクの心を元に戻してよ…


もう一人のボクがいなかった時に戻してよ…




もしも許されるなら…

もう一人のボクと一緒に…





ボクを…












2006.7/29.14:22.pm
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002,もしも許されるなら