あかい糸
(火村&アリスストーリー)

    カタカタとリズム良く鳴っていたキーボードの音が
    不意に聞こえなくなった。 「?」と思い読んでいた本
    から顔を上げるとアリスがこちらを見ている。
    少しの間「何か」を考えているようだったが、
    その「何か」を思い出した らしく話しかけてきた。
    「なあなあ、火村。知っとった?」
    〆切前だという のに機嫌は良さそうだ。
    「何をだ?いくら俺でもわかんないぜ。先生。」
    反対に聞いてみた。
    「赤い糸の伝説のことや。」
    「赤い糸!?先生今日は もう寝たらどうだ?」
    俺は寝室を指差した。
    「別に煮つまっとるわけやない。」
    アリスは形のいい眉をちょっだけひそめていう。
    しかし話を進めたいらしく いつもなら
    ー真面目に聞けっ!!ーとくるのだが堪えてるみたいだ。
    「実はな、この間読んだ女の子向けの雑誌に載っとたんやけど、
    赤い糸 ちゅうのは1本だけやないやて。
    何本もあるんやて。君、知っとった?」
    ちょっと自慢げで楽しそうだ。
    アリスには悪いが「興味ないな。」と俺は言った。
    「赤い糸なんてモノ信じられないな。」とも追加していった。
    「信じてへん・・・の?」アリスの声の調子が変わった。
    なんだか泣きそうな声 になっている。
    今まで機嫌が良かったのにどうしたんだろう。
    「アリス?どうしたんだ急に?」
    アリスの急変に俺は戸惑ってしまった。
    「だって・・・、ボクはーあるーと思ってたんや。」
    俯いたままアリスは言う。
    「アリス・・・?」俺は立ち上がって
    アリスの座っている場所へ移動する。
    「何本もある中から間違えずに
    ボクらは選んだんだと思ったんや。」
    「俯いてないで俺を見ろ、アリス。」
    アリスの肩に手を掛けていう。
    「ボクと君の間にも繋がっとるでしょ?」
    上目遣いに俺をみる。そして、
    「運命の糸・・・。」アリスが俺をみる、
    「アリス。」俺は肩に掛けた手に 力を込めて、
    そのまま抱き寄せた。
    やわらかい髪からシャンプーの香りがする。
    アリスに出会えて本当に良かった。こんな俺を見ていてくれる。
    「火村?」 見上げるアリス。
    「ああ、そうだな。」俺がいうと、嬉しそうに微笑んだ。
    もしか本当に運命の赤い糸なんてモノがあるとしたら
    俺にはアリスに続く1本しかないのだろう。
    きっと最初から・・・。



    2000.12.09.aki.




    はあ〜〜、何だかまとまりの無いモノになってしまいました。
    最初に考えてたモノとはちょっと違ってしまいました。が、
    まあ、akiの書くものだから何書いてもおんなじか〜。(笑)
    今回は火村&アリスです。いかがでしたか???
    もう、イメージ壊しまくりですね。(汗)でもちょっと
    書いてて楽しかったな。へへへ。では。(書き逃げ!)