ねこ日和



    12月のとある日。オレはめずらしくも暇を持て余していた。
    こんなオレの相手をしてくれてるのは、3匹の猫達だけだ。
    「暇だね・・・。」ゴロゴロと甘えてくる猫達につぶやいた。
    こんな日にかぎって何も起こらない。(まあ、起きたとして
    も何もする気もないけどな。)なんだか無駄に天気もいいし
    ・・・、(どうするかな・・・。)考えていると、ふと、
    大阪在住の推理作家のぽよ〜んとした顔が浮かんできた。
    「ふ・・・む。」今頃は〆切の最中だろうか?いつもなら、
    お構いなしに訪ねて行くのだが、どうも今日は外出をしたく
    ない気分だ。ぼんやりと推理作家のことを考えているうちに
    猫達は退屈してしまったらしく、いつの間にか眠ってしまって
    いる。(猫だんごだな・・・。)しかしオレとしては、もう少し
    構っていたかったので、少しだけもの足りない気分だ。だが、
    気持ちよさげに眠っている猫達を起こすのも可哀相な気がした。
    (さて、どうするか・・・。)考えていると、
    ジリリリーン・・・
    不意に電話のベルが鳴った。「まさか・・・な。」オレは
    推理作家の顔を思い浮かべながら受話器を取った。
    「はい・・・。」
    「あっ、火村ー?」
    「アリスー。」・・・あたりだ・・・。
    「今から行ってもいいかな?ヒマなんやー。」
    ・・・・・ニヤリと頬が緩む。
    「ああ、いいぜ。待ってる。」
    チンッ・・・・・、受話器を置くと軽い音をたてて切れた。
    どうやらオレは暇から解放されるようだ。さて、何をしようか。
    とりあえず猫達を構い足りなかった分を取り戻すことにしよう。
    早くこい・・・アリス。
    オレは煙草を吸うために立ち上がった。




    2000.12.05 aki.



    はあ〜、HP第一作目の駄文は「ヒムアリ」でした。
    なんだか何年ぶりかに文章らしきモノを書きました。
    随分と読みにくいモノになってしまいました。
    読んでくださった方すみません。次はもう少し読み
    やすくなれたらいいなあ〜、と思ってます。(希望)
    こんなモノでも感想をいただけたらなあ〜、嬉しいです。