和紙産地をたずねて(岐阜県美濃市:ぎふけんみのし)

 美濃は私のベースキャンプ小原からもっとも近い和紙産地です。時々出かけますが、今回の訪問記は2000.10.07(土)に出かけたときの写真を使っています。美濃和紙の里会館始め美濃の皆さん!お世話になりました。特にチャーミングな学芸員のA.S.さん!いつもスミマセン!!(訪問記になっていない)

 岐阜県美濃市は美濃和紙の産地として有名です。美濃地方は日本で最も古くから紙すきがおこなわれていた地域で、多種多様な紙が漉かれていました。特に、美濃書院という障子紙が有名で、江戸時代には最高級品とされていました。その他、表装用の薄美濃紙や染色に使う型紙原紙なども産出していて、日本の伝統文化においても欠くことのできない和紙産地といえます。 現在は伝統的な和紙ばかりでなく、様々に工夫改良された美術和紙なども漉かれています。最近では、和紙の需要拡大を芸術方面に求めたり、後継者育成に取り組んだりと、他の産地をリードしています。
 美濃和紙の紙郷は、清流長良川の支流板取川流域に広がっています。現在は蕨生地区を中心に、片知地区、上野地区が代表的なエリアです。産地のほぼ中心に美濃和紙の里会館がありますので、先ずはココを訪問しましょう。
地図

 車では東海北陸自動車道美濃インターから約20分で美濃和紙の里会館に到着します。
 公共交通機関は長良川鉄道越美南線「みのし」駅から岐阜バス牧谷線洞戸栗原行き「和紙の里公園」下車です。(バスの運行本数が少ないのでご注意下さい) 岐阜バスHP

紙すき体験
美濃和紙の里会館での紙すき体験

 美濃和紙の里会館には、和紙資料を常設展示する展示室や和紙に関する企画展などを開催する展示室、美濃和紙作りを体験できる実習室、和紙に関連する書籍の図書室、ハイビジョンシアターなどがあります。

石原さん     石原さん
箔合紙を漉く石原英和さん 顔は怖いですがとても人の良い方です。
箔合紙はミツマタが原料。極薄い金箔を保護する非常に薄くしなやかな紙です。
 石原さん始め約10名が伝統工芸士の認定を受けています。
落水紙
落水紙は漉いた和紙にシャワーで模様をつけます。
市原団若さん方

 和紙を染色したり、模様和紙を作るのも得意です。中でも落水紙は他産地の追随を許しません。

天日乾燥
本美濃紙の天日干し風景
澤村 正さん方

「本美濃紙」といわれる紙は、最も伝統的で国の重要無形文化財に総合指定され、製造法や使用原料に厳しい規定があり本美濃紙保存会が技術を受け継いでいます。重要無形文化財の指定を受けているのは澤村正さんと鈴木竹一さんのお二人です。

コウゾ畑
コウゾの育成にも力を入れています。
うだつの町並みとあかりアート展 うだつの町並みとあかりアート展うだつの町並みで開催される「美濃和紙あかりアート展」は幻想的です。必見!!(毎年10月に開催されます)

 その昔、美濃は長良川の水運と和紙で栄えました。和紙問屋は生産者を支配し美濃の町に潤いを持たらせました。一方で生産者は厳しい条件で紙を買い上げられ、貧しい生活を強いられていました。うだつの町並みは、貧しい生産者とそれを支配した商人の歴史を物語る史跡といえます。(勿論和紙問屋以外でうだつを上げている商家もあります)
 #うだつ・・・左写真の左上、屋根に突き出ているもの(ライトアップされている)で、火災の類焼を防ぐ役目があります。裕福な商家では競ってうだつを上げました。なにをやってもうまくいかない人のことを「うだつが上がらない」というのはここからきています。

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