上窪正一さん夫妻の紙

(美栖紙)


所在地:奈良県吉野郡吉野町

上窪正一さん夫妻

上窪正一さん夫妻

 上窪さんの紙は「美栖紙(みすがみ)」と言って、表具制作には欠くことができないものです。紙料に胡粉が混入されているため、伸縮のない柔らかな紙となり、掛け軸の中裏に最適です。

 美栖紙の特徴は、簀伏せといって漉き上げるとすぐに乾燥用の板に張り付け、天日乾燥するところにあります。非常に薄くデリケートな紙ですから、雨に当たると穴だらけになってしまいます。そのため、天気を気にしながらの作業が続きます。

 奈良県吉野町で抄紙されており、現在は上窪さんご夫妻のみが技術を受け継いでいます。

 

  
漉き上げ

薄く漉き上げるため、紙料を汲み込んだら素早く動かし、漉き上げる。

 

 板に移す

漉き終わると、簀を乾燥板にぶつけるようにして紙を板に移す。

 紙が濡れていると簀の目が見えるほど透明に近い。

天日で乾燥

天日で乾燥する。板が白いのは胡粉のためだ。

  
美晒紙

美栖紙

原料:ヒメコウゾ

  
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