谷野剛惟さん(名塩紙)


所在地 兵庫県西宮市塩瀬町名塩

谷野さん

谷野剛惟さん

 谷野さんは、日本になくてはならない紙を漉いています。それは、「泥入り間似合い紙」という襖用紙です。間似合い紙の名は、半間の間尺に合わせた大きさから付けられました。
 泥入り間似合い紙は、ガンピを原料とする紙で、名塩近辺で採取される鉱物が混入されています。火を付けてもすぐに消えてしまうため、古くから神社・仏閣・城館の襖用紙として使われてきました。もちろん襖には日本文化を象徴する絵画が描かれています。これらの文化財を保存修復するのに名塩紙は欠かせません。
 現在この紙を漉けるのは谷野さんだけです。
溜漉き

名塩の紙は泥で重いため座って漉きます。
 一般の和紙は簀を動かす「流漉き」ですが、この紙は簀をあまり動かさない「溜漉き」という漉き方です。

プレス

 漉いた紙は板にはさみ、一晩プレスします。

 

乾燥

プレスが終わると、板に貼り天日乾燥します。

 

泥入り間似合い紙   泥入り間似合い紙
「泥入り間似合い紙」

原料 ガンピ

 ガンピに地元で採取される鉱物を混入します。紙の色が違うのは、混入する鉱物が違うからです。
 中国自動車道と大規模団地ができて、これらの紙に必要な鉱物の大半が取れなくなってしまったそうです。

  泥入り間似合い紙
泥入り間似合い紙   泥入り間似合い紙

 

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