紙の誕生と伝搬
紙はその昔中国で生まれました。それが世界中に広がって今では生活に不可欠なものとなりました。
BC 179頃 中国、前漢文帝・景帝の頃の古墳から紙片が出土。それ以後の年代の古墳からも出土。
AD 105 湖北省の宦官蔡倫が麻のぼろ布から紙を作る。(一般に製紙の起源とされるが、蔡倫により製紙技術がまとめられたとみる方が妥当であろう。)
610 高句麗の僧「曇徴」が絵の具や墨と共に製紙を日本に伝えたと「日本書紀」に記されている(一般に日本の製紙起源とされる。)
751 唐軍とサラセン軍が戦い、唐軍の捕虜がサラセン軍に連行され、その捕虜がサラセンに製紙を伝えたと推測される。サラセン帝国はシルクロードの要衝サマルカンドに製紙工場を建設する。(紙の西進が始まる)
793 サラセン帝国の首都バグダッドに製紙工場が建設される。
825 アラビアのダマスカスに製紙工場が建設される。ヨーロッパへの紙の供給源となる。
900 エジプトのカイロに製紙工場が建設される。
1100 モロッコのフェスに製紙工場が建設される。
1150 スペイン国内に製紙工場が建設される。
1151 スペインのヤチバに製紙工場が建設される。
1189 スペインの援助でフランスのエロールに製紙工場が建設される。この工場によりフランスはヨーロッパ最大の製紙国家となる。
1276 イタリアのファブリアーノに製紙工場が建設される。
1320 ベルギーのコーロンに製紙工場が建設される。
1356 オーストリアのレースドルフで製紙が始まる。
1391 ドイツのニュールンベルクに製紙工場が建設される。
1405 ベルギーのフイに製紙工場が建設される。
1411 スイスのマーレに製紙工場が建設される。
1482 オランダのヘンネップに製紙工場が建設される。
1450 ドイツ人グーテンベルクが活版印刷を発明する。これを機に紙の需要が爆発的に増える。
1491 ポーランドのクラカフで製紙が始まる。
1495 イギリスのステベネージに製紙工場が建設される。
1499 チェコスロバキアのボヘミアで製紙が始まる。
1532 スウェーデンのモタラ・ストレムに製紙工場が建設される。
1540 デンマークに製紙工場が建設される。
1546 ハンガリーに製紙工場が建設される。
1575 メキシコのカレファカンに製紙工場が建設される。
1576 ロシアのモスクワに製紙工場が建設される。
1586 オランダのドルトレヒトに製紙工場が建設される。
1660 フィンランドのボジョに製紙工場が建設される。
1680 オランダでホーレンダー・ビーター(繊維を砕く機械)が発明される。
1690 アメリカのフィラデルフィアに製紙工場が建設される。
1698 ノルウェーに製紙工場が建設される。
1719 フランス人レオ・ミュールが蜂の巣をヒントに木材のパルプ化を考える。
1765 ドイツ人シェッフェルの著書に蜂の巣から作った紙の見本がある。
1798 フランスのディード製紙工場でルイ・ニコラス・ロベールが長網抄紙機を考案する。(製紙の機械化が始まる)
1808 ガンブルとドンキンがロベールの長網抄紙機を改良し実用化した。フォード・リニア・マシーンと呼ばれた。
1809 イギリス人J・ディッキソンが円網抄紙機を考案する。
1844 ドイツ人F・G・ケラーが砕木機を発明(1852年に実用化)する。木材パルプの本格的導入が始まる。
1844 デューマスが塩素パルプ法を発明する。
1853 イギリス人C・ワット、H・バージスがソーダパルプ法を発明する。
1867 アメリカ人ティルグマンデューマスが亜硫酸パルプ法を発明する。
1874 有恒社が日本初の機械による洋紙生産を始める。
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